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銀の働き部屋

管理人銀河の、日記兼テキストサイトです。取り扱うジャンルは主にヤングガンガン連載のWORKING!!になると思います。最近は東方の霖之助小説を書くのにも夢中。どうかよろしくお願いします。リンクはフリーです。感想は常に受付中です!もらえたら泣いて喜びます

俺なんかにできるコト 佐藤×八千代

 さあ。小説だ。

 タイトルは『俺なんかにできるコト』。佐藤×八千代です。微糖。・・・なんか前にも似たタイトルの小説あったような・・・。あったら変えておきます(待て
 最近本家、うろんなページのらくがき漫画見ていたら懐かしいネタを見つけて、よし、使おうと思いました。
 かなり久々に書いた小説なので、見苦しい所も多いと思いますが、どうか生暖かい目でお願いします。誤字などはどんどん受け付けますよー!
 ・・・というか、俺、WORKING!!小説サイトなのに全然WORKING!!の話してませんね。・・・まあ、あとがきで。

 あ、あとがきはネタバレ注意。

 では、続きからでどうぞ。




 

 

「じゃーな、佐藤! 足立!」

 雪がしんしんと降り積り、寒さもいよいよ極まってきたこの季節。吉田は口から白い吐息を吐き出しながら、俺達にそう言った。
今日は週に一回のバンド練習の日だ。いつも練習させてもらっているクラブを出て、近くの駐車場での別れの言葉。大粒の雪が降り注ぎ、かなり冷える。車の暖房が待ち遠しい。
 店にいたのは2時間強ほどだったが、駐車場の俺達の車やバイクにはすっかり雪が積もってしまっていた。俺と足立はまだしも、吉田は大変であろう。

「おお。風邪引くなよ・・・いや、大丈夫か」

「どういう意味!? それはどういう意味かな佐藤君!?」

「どういう意味だと思う? 足立」

 俺の隣で苦笑いを浮かべていた足立に話しかける。足立が被っているニット帽にも雪が少し積もっていた。でも足立は平気な顔だ。・・・慣れてるのだろうか?
 足立はええっ、と一瞬困った顔を浮かべてから、

「そういう意味なんじゃない・・・?」

 と吉田に苦笑い混じりに言った。意外と残酷な反応な気がする。

「うう・・・もういいよお前ら! 悔しくないぞ! 彼女無しの男に何言われても悔しくないもんねー!!」

よしテメエそこ動くんじゃねえぞゴラァ!!

「佐藤、落ち着け!!」

 石の如く堅く作り上げた雪玉を振り上げる俺を、足立が全身を使って制止する。

「触るんじゃねえ幸せポニテ!!

「懐かしいなそのノリ! ポニテなのかなコレ!?」

「じゃあな! 独り身佐藤くーん!!」

 心底ムカつく捨て台詞を吐きながら、バイクにまたがり吉田は行ってしまった。そのまま凍死すればいいのに。

「チッ。逃げられた・・・」

「そりゃああの迫力だもの・・・」

 ハハハ、と笑いながら足立は俺の体から離れる。さりげなく身構えているのは俺から何かしらの攻撃が来ると思ってのことだろう。

「何もしねえよ。・・・はあ、あの馬鹿のせいで疲れた」

 俺は深く白い溜息をついて、自分の車へと向かった。足立が構えを解いて後ろについてくる。俺の車の横に足立の車があるからであって、特に意味は無いはずだ。

「じゃあな。また来週。何かあったらメールするわ」

「分かった。じゃ」

 そう言葉を交わしながら、俺と足立は殆ど同じタイミングで車に乗り込んだ。
 鍵を挿し、回す。エンジンの起動音と共にエアコンが起動し、最初の冷たい風がだんだんと熱を帯びてくる。その熱が、冷え切った俺の体を温めていった。
 ふと足立の車を見ると、窓越しに足立が手を上げたのを見て、俺も手を上げて答えた。
 直後足立は車を動かし、駐車場から出て行った。

 俺もできればすぐに車を出したかったが、バンドの練習に夢中で煙草を吸っていなかったことを思い出し、煙草を取り出し、火を点け、くわえた。
 灰色の煙が体に染み始めた頃に、先ほど吉田に言われた台詞を、窓の外に未だ降り続ける雪を見つめながら思い出した。

『彼女無しの男に何言われても悔しくないもんねー!!』

 思い出すだけで腹ただしいが、あながち間違った台詞でも無いだけに悔しい。本当に悔しい。
 吉田にだげ彼女がいるときはよかった。しかし、足立にも彼女ができたせいで俺の立場が危うくなってきた。
 今まで、俺らのバンド練習の時の空気は、二分化されていたのだ。つまり、彼女がいて幸せオーラと、彼女がいなくて寂しいオーラだ。
 昔は、吉田は幸せオーラ全開で、足立は薄い寂しいオーラ、俺は寂しいオーラ全開だった。俺は合わせて3人だけとはいえ多数派に属していたため、寂しさなど大して感じることもなかった。しかし最近はどうだ。足立に彼女ができたことにより足立の周りに彼女がいて楽しい薄いオーラが発生し、完全に俺は孤立してしまったのだ。まあ、こんなオーラとかが見えているのは多分俺だけなのだろうが。
 まあ、オーラとななんとか俺はほざいているが・・・そんな言葉に表さなくとも、分かるもんだ。
 そんなに、浅い付き合いでもない。

「・・・耐えてやるよ」

 自虐気味にそう呟いてから、俺は駐車場から車を出し、雪で真っ白く固まり凍り付いている道路を走り出した。


 雪が激しく降り続ける中を走り続ける。
 もう夜中の10時を過ぎていて、雪は緩まるどころかますます激しくなりそうな勢いで降り注いできている。
 今日はもう帰って寝ようと思い始めた時、道路の橋に人がいるのが見えた。

「・・・ん?」

 俺の目に映っているのは後姿であったが、その背中には見覚えがあった。
 背は小さく、明るい茶髪には雪が絡みつくように付着していて、普段の美しさを半減させているように見えた。
 寒さのせいで身をかがめているのか、その姿は普段より更に小さく見えた。

「・・・八千代?」

 横に車を止め、窓を開けてそう声をかけた。窓からは車の中の暖房のきいた空気を一瞬で元に戻すかのような冷気が入り込んでくる。
 雪をかぶりながら歩いていた女性・・・まあ、八千代なんだが・・・がゆっくりとこちらを見て、表情を明るくさせたのが分かった。

「まあ、佐藤君! こんばんは!」

 寒さで顔を赤くさせながら、俺にいつもどおりの呑気な挨拶を返す。
 よく見ると、八千代の手にはスーパーの袋が握られていた。恐らく、買い物帰りだったのだろう。

「何でわざわざこんな遅くに買い物してるんだ、お前?」

「えっと、杏子さんに作っていく料理の材料がなくなってるのに気付かなくて。それで急いで・・・」

 八千代の言葉を聞いて、俺は深く溜息をついた。車内で吐いた空気は白く染まっていた。

 なんで、こいつはここまで店長馬鹿なのだろうか。
 いや、その理由は過去何回も、何時間も、何百時間も聞かされているから十分なのだが、そんなので納得がいく俺ではなかった。

「お前なあ・・・。店長好きなのはいいけど、そのために無理して体調壊したらどうするんだよ」

「ごめんなさい。でも、私は杏子さんのためなら何をやっても大丈夫だから」

 申し訳無さそうな笑顔でそう言う八千代を見て、胃がキリキリと痛み出した。
 こいつの笑顔は俺にとって十分兵器である。しかし、その兵器を俺の力で生み出すことはできない。あの笑顔を生むのは、いつも・・・あの女だった。
 腹が立った。八千代を手足代わりに使う店長に。好きな女一人笑わせることのできない自分に。

「・・・佐藤君?」

 その声を聞いて、俺は、どこか遠くに行きかけていた意識を現実へと戻した。
 八千代を見ると、車の窓のすぐそばで、不安げに俺の顔を見つめていた。

「大丈夫だよ」

 そう答えると、八千代は「そう?」と、やはり不安そうに声をかけてくれた。
 これでいい。
 俺は、これで十分なんだ。

「・・・乗ってけよ」

「え?」

 結構勇気を出して言った一言を、もう一度、と言われ急に俺は恥ずかしくなった。
 恥ずかしさが顔に出てはいないか気になったが、とりあえずもう一度、

「車、乗ってけよ。風邪ひかれても困るし」

 余計な一言がついてしまったが、正直な俺の気持ちでもあった。
 店長のために風邪を引いた、とかそんな綺麗な文章はいらない。
 理屈だとか理由だとか関係無く、俺は、八千代の辛そうな姿なんて絶対に見たくないんだ。

「え・・・? いいの?」

「別にかまわねえよ。そんなに遠くでもないだろ。車なら尚更だ」

「本当にいいの?」

「・・・いや、乗りたくないならいいけど」

 我ながら少し切ない声でそう言うと、八千代は首をぶんぶんと横に振った。

「えっと、その、お邪魔します」

 八千代はわざわざお辞儀をしてから、車に乗り込む。・・・かと思いきや、

「どこに乗ればいい?」

 と、何故か申し訳無さそうに聞いてきた。

「・・・じゃあ、助手席」

 俺が言うと、八千代は何故か更にもう一度お辞儀をしてから、助手席側に回り込み、車のドアを開けた。

「お邪魔します・・・」

「二回目だぞ」

 そう言うと、八千代は恥ずかしそうにもう一度お辞儀をし、頭や服の雪を軽く払ってから助手席に乗り込んだ。
 俺は、車を走らせる前に八千代の顔を見た。
 ベルトを必死に探している八千代の顔は、寒さのせいで頬が赤く染まっている。服についた雪が完全に取れずに服にくっついているのを見ても、随分長い間この寒空の中歩いていたに違いない。
 俺は車内の暖房の設定温度を上げて、八千代がベルトを装着し終えるまで待つ。

「えっと、シートベルト、付けました」

「何で敬語なんだよ・・・。まあいいや。出すぞ」

 一回は冷えた車内の空気が再び暖かくなった頃、俺は車を走らせた。

「お前の家って、携帯買った時に書いていた住所でいいんだよな?」

「え、ええ」

「車の中、煙草臭くないか?」

「だ、大丈夫」

「そうか・・・」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いやいや、終わるな俺
 かなり自然な流れで、車とはいえ密室空間内に二人きりなんだ。このチャンスを逃す理由など何一つ無い。いや、逃すわけにはいかない、とまで言えるだろう。車内も暖まってきて、八千代の寒さも大分緩んだころだ。
 だからといって、俺にこの場の雰囲気を盛り上げ一気に二人の仲は急接近☆ となれるようなオシャレトークの技術は無い。それどころか、現在進行形の沈黙のせいで俺の焦りはピークに達しようとしている。

「佐藤君」

「・・・ん?」

 いっそのこと狼にでもなったろうかという最低の考えが浮かび始めた頃に、八千代がそう呼びかける声が意識の端で聞こえ、俺は気の抜けた返事を返した。気の入った返事をした記憶が無いのはご愛嬌だ。

「その、本当にありがとうね」

「別にいいって。さっきもいっただろ」

「そうなんだけど・・・」

 八千代は言葉を切らす。ちらっと八千代を見ると、少しうつむきがちだったが、その顔は笑って見えた。

「同世代の男の人に、車で送ってもらったことなんて無かったから」

「・・・というか、お前の場合は大抵のことはやってもらったこと無いんだろ?」

「まあ、そうなんだけど・・・」

 小さく八千代は笑った。俺が八千代に笑みをこぼさせたと考えると、なんだか気分が高揚してくるのが分かった。
 でもね、と、八千代は言葉を続けた。

「同世代とか関係無く考えても、佐藤君の言葉、あったかい」

 俺を見つめながら、八千代は笑顔でそう言ってのけた。
 有り得ないほどの気恥ずかしさが俺の心を侵食していく。否応にも顔に熱が集まるのを感じる。

「・・・そりゃ、寒かっただろうからな」

「そんなのじゃないわ。車に乗る前からよ。もっと言うならば、ワグナリアでも。佐藤君はいつも優しいじゃない」

「・・・別に・・・」

「照れてるの?」

「なっ・・・!!」

 予想していなかった言葉に驚き、焦って八千代を見る。
 よほどおかしい顔をしていたのだろう。八千代は俺を見てくすくすと笑い始めた。
 笑顔をまた見る事ができた、とかよりも、今は恥ずかしさの方が何倍も上であった。もはや顔の赤さを隠すこともできないだろう。

「ごめんなさい。でも、初めて見たわ。佐藤君のそんな顔」

「悪かったな。普段は無愛想で」

「でも優しいからいいじゃない?」

「・・・・・・」

 これ以上は言えば言うほどからかわれてしまうと判断し、俺は何も言わないことにした。なかなか屈辱的だ。八千代にからかわれるというのは。

「とにかく、本当に声をかけられた時、嬉しかったの。だから、何度でも言うわ」

 とびっきりの笑顔を浮かべながら、

「佐藤君。ありがとう」

 本日何度目かも忘れた、感謝の言葉を俺に言った。

 車を運転しながらも、その笑顔をしっかりと見た。
 いい笑顔だ。最強の笑顔だ。
 八千代の笑顔を見ていたら、先ほどまで深刻ぶって考えていた、店長への怒りだとか妬みだとかが、愚かしく、馬鹿らしく思えてきて、俺は笑いそうになってしまった。
 卑屈に考える必要なんかなかった。
 他人との優劣を自分の中で決める必要は無かった。

 なんだ

 俺だって、好きな女一人笑わせることくらいできるじゃないか


「佐藤君?」

 八千代が俺を呼んだ。どんな顔をしていたのか、自分でも分からないが、何も言わなかったのが心配になったのだろう。

「どういたしまして」

 俺は、落ち着いた心で・・・八千代の目をはっきり見ながらそう答えた。
 八千代は、変わらずの笑顔で「うん」と頷いた。

 流石に、二人の仲急接近☆ とはいかなかったが、俺は八千代の笑顔を見れただけで十分だった。
 もう八千代の家までそんなに距離も無い。とりあえず、悔いを残し独り寂しく酒を飲むという悲しい夜を過ごすことにはならなそうだ。

「・・・あ! 佐藤君、車を止めて?」

「? ああ・・・」

 突然八千代にそう言われ、俺は慌てて車を止めた。
 何かあったのだろうか、と心配する暇も無く、突然八千代がドアを開けて外に出て行った。
 心底驚き、俺もドアを開けて慌てて外へと飛び出した。

 しかし、八千代を慌てて探したり止めたりする必要は無かった。
 八千代は助手席側の入口の所に立っており、俺の方を喜びに満ちた笑顔で見つめていた。
 俺を見つめているのでは無いとすぐに気付き、後ろを振り向いてみた。

「・・・イルミネーション?」

 八千代が見つめていた物。それは、公園の遊具や植物に巻きつけられ、降り積もる雪に反射して、街頭以上に辺りを、純白の光で照らしているイルミネーションであった。
 俺は正直、この風景を特別な物に感じたことは一度も無い。この道は普段からよく通っているし、このイルミネーションだって毎年同じように設置されるため、新鮮味に欠けるというかなんというか、ただ灯かりが増えてありがたいといった程度にしか感じていなかったのだ。
 そんな変哲の無いイルミネーションを、何も言わず、ただただ恍惚とした表情で見つめる八千代をしばらく観察する。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・寒っ・・・!

「・・・綺麗か? このイルミネーション」

「あ。ご、ごめんね佐藤君。急に降りたりして」

「別にいいけどよ。見たことなかったのか」

「この道をこの時間帯に通ることなかったから・・・」

 詫びつつも、八千代の顔には幸せそうな笑顔が絶えず、俺も思わず嬉しくなった。
 ・・・まあ、こういうシチュエーションで見ると、この風景もなかなか悪くは無い。しかし、このイルミネーションにかかる金って誰が負担するのだろうか。・・・くだらないことばかりに思考が移ってしまう自分が情けない。

「今日はいいこと尽くしね!」

「あ?」

「佐藤君の車に乗せてもらって、こんな綺麗な物も見れて! ありがとう佐藤君!」

 また見れたあの笑顔。
 ・・・俺にとっても、今日は吉日だ。

「どういたしまして」

 そう返し、またイルミネーションを見てみた。
 ・・・イルミネーション?
 イルミネーションなんてよく聞く言葉だが、何だかひっかかる。テレビや雑誌以外で、イルミネーションに関わる話を聞いた気がする。・・・いや、間違い無く聞いた。しかも、かなり腹が立ったような・・・。

「あ」

 思い出した。



 ワグナリアのキッチン。俺と相馬が働いていたが、客が来ず、暇を持て余していたときだ。
 相馬をちらりと見ると、何か面白いことでも思い浮かんだのか、ムカつく笑顔で俺に、

「ところで佐藤君。三丁目の山田さんから聞いたんだけど」

「なんだよ」

「●通り公園のホワイトイルミネーション、カップルで見ると破局するんだって」




 間違いない。そんな事をあの馬鹿が言っていた気がする。
 俺はすぐに公園の入口の札を確認した。どうか話に出てきた公園で無いことを祈りながら。
 しかし、祈り虚しく。札には、「●通り公園」としっかりと刻まれていた。

 やっちまった。
 いや、この場合はどうなんだ? 俺と八千代はカップルじゃないし。いや、でもこの状況を遠めから見たらカップルに見えなくもないのか? どうなんだそこは。そもそもカップルの基準って誰が決めて誰が破局へのフラグを設置し始めるんだ? 誰がそもそも言い出したんだ? 彼女に振られた男が八つ当たりでこの噂を振りまいただけではないのか? 違うぞ、フラグを設置する謎の誰かさん。俺と八千代はカップルでも何でもない。破局させるものなんか何も無い。なんで俺がこんな虚しいことを思わなきゃならないんだ!? というか、カップルじゃないと過程すると、相馬の考えを肯定することになり非常に腹が立つ! えっとどうしたら、今なら間に合うのか? 今帰れば何事も無く今日という一日が終わるのか?

「佐藤君?」

「おおっ!?」

 八千代にこのように声をかけられるのは、本日何回目だろうか。
 俺は相当思いつめて考えていたため、何だか面白い声が出てしまった。

「な、何だ?」

「今日の佐藤君、よく考え事してるわね?」

「い、いや。大したことないさ。何でもないさ。ジンクスが何だ呪いが何だ。知ってるか、ひな祭りの人形ってもともと身代わりのために作られたんだぜ?

ど、どうしたの佐藤君!?

 いかんいかん。混乱のあまり訳の分からない言葉を口走ってしまっている。ちなみにひな祭りのくだりは昔ぬ~べ~で見た物なので信憑性の程は知らん
 ・・・まあ、見ちまったもんはしょうがないか。

「寒いな・・・。コンビニに寄って、何か飲み物でも買っていこうぜ」

「確かに寒いわね・・・。ごめんね佐藤君。変なことにつき合わせて」

「気にするなって」

 俺はそう言いながら車の運転席へ座った。ドアを閉めるのを忘れていたため、車の室温と外の気温に大した差は無かった。
 すぐに八千代も助手席へと座り、シートベルトを探し始めていた。

「もういいのか?」

「ええ。それに、見たい時はいつでも見れるでしょ?」

「・・・・ああ」

 また八千代がこのイルミネーションを見る時、俺はどこにいるのだろうか。などという不毛な考えが浮かんできた。そんなの、分かるわけが無い。

 八千代がシートベルトを装着したのを確認して、俺は車を走らせた。
 あっという間に公園の前を通り過ぎ、最寄のコンビニへと車の進路を向ける。

「あのさ」

「なに?」

「どうしても夜に買わなきゃいけない物とかある時は、俺に連絡してみろよ。行けたら送迎くらいするぜ」

「え? そ、そんなの悪いわよ」

「いいんだよ。お前は、店長が望まなくても、店長のために全力を尽くすんだろ? それほどの覚悟じゃないかもしんねえけど」

 俺は、八千代の目をしっかり見つめながら、

「俺は、何年も一緒に働いている仲間の力ぐらいにはなりてえんだよ」

 そう、言ってみた。
 言ってから急に恥ずかしくなって、すぐに視線を前へと戻したが。
 隣で、八千代がくすくすと笑う声が聞こえた。

「・・・何だよ」

「・・・やっぱり佐藤君って優しいなって思ってたの」

 何回も言われるともはや慣れてきて、俺は「はいはい」と軽く言葉を流した。

「じゃあ、本当に困った時に連絡させてもらうわね?」

「ああ」

 俺は、自分でも分かるほどに満足感に満ちた返事をして、もう少しで終わってしまうであろうこの時間を楽しむのに集中することにした。

 
 三丁目の山田さんとやらの噂なんか知るか。
 山田さんには悪いが、俺は神様は自分の都合のいい時しか信じない。朝のニュースの正座占いも3位より上の時しか信じない。
 要は、自分勝手なんだよ。俺は。

 だから当然、破局するとかいうジンクスも信じない。信じてたまるかよ。
 むしろぶち壊してやる。

「なあ、八千代」

「なに?」

 見てろよ相馬。
そして、足立、馬鹿吉田。
 俺も近い内に仲間入りしてやるからな。幸せオーラMAXでだ。なめんなよ、うかれた時の俺を。お前らなんか比較になるか。

「おでんでも食わねえか?」

「・・・いいわね! 私、はんぺん大好き!」

「最近厚焼き玉子が入ってなあ。美味いんだよあれ」

「でも、たまにつゆが薄い時あるのが残念よね」
 
「あるなあ。そうすると大根が不味くてなあ」

 幸せオーラ? 破局のジンクス?

「じゃあ、車の中で二人で食べましょう?」

「なっ・・・! ・・・まあ、いいか」

「その方が楽しいわ、きっと!」

 オーラだろうが振られ男の怨念たっぷりのジンクスだろうが、敵うかよ。お前らごときが、勝てるかよ。

「ああ、そうだな。きっと、楽しいな」

「そうよね!」


 ・・・うん。やっぱりそうだ。確認した。

 何年、何十年、何百年、何万年かかろうと、

 こいつの笑顔には、構わねえな









 あとがき

 俺の書く八千代って、小悪魔ですね。以前火の車さんにも言われましたが・・・。うーん、まあ、いいか可愛いし(自画自賛ではありません。想像すると鼻血が出そうになるだけです(ぇ
 おでんのくだりは完全に自分の体験で。薄い出汁とかマジでやだから試飲してほしい。毎日。
 落ち着いて見ると、長いですねこの小説。何回か分けて読んでもいいですよっ☆ ダメだ。ランカが頭から消えない。
 なんか、完成するのに凄い時間がかかった小説。集中力無いなあ俺。でも、佐藤さんをいい感じにへタレにかけてよかったです。
 次回作(なんか偉そう)ですが、以前佐藤さんと八千代の同棲小説書いたので、小鳥遊伊波のも書きたいなあ。もう、甘甘の。細長い缶コーヒー並みに甘甘の。

 最近のWORKING!!について。
 もう、何だ? 伊波は改めて可愛いって設定なんですね。いや、そんなのジャンプにこち亀が載ってるくらい当たり前なことなんですけど。あれはお兄さんも惚れますよ。
 最近、というかここ2,3号の話でお兄さんが完全に置き去りな気がする。ダメだよ。どんな日だろうとあの通りで女の子を待っているんだから。無差別で。・・・・警察につかまんねえかな(ぇ
 小鳥遊と伊波の仲が少しでも進めばいいなあー。そして梢姉さんは結婚できるといいなあー。

 本家うろんなページのWORKING!!は、なんだか恋人誕生ラッシュになりそうなノリで少し恐い。お、終わるの?終わっちゃうの?(失礼な
 あ、終わるといえば、バリハケンおつかれ様でした!!(ジャンプです

 あ、そういやWORKING!!カレンダー買いました!!感想!?そうだなあ、そうだなあ、なんかあー。

 エロイ(ぇ 六月とか。八月とか。佐藤さん絶対家帰ったら抜いてるよ(やめろ馬鹿

 ではこの辺で。でも、WORKING!!以外の小説も書きたいなー。


 

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