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銀の働き部屋

管理人銀河の、日記兼テキストサイトです。取り扱うジャンルは主にヤングガンガン連載のWORKING!!になると思います。最近は東方の霖之助小説を書くのにも夢中。どうかよろしくお願いします。リンクはフリーです。感想は常に受付中です!もらえたら泣いて喜びます

空模様と彼女 小鳥遊×伊波

 小説を載せたいと思います。
 新作では無いです。すいません。間に合いませんでしたすいません。
 小鳥遊×伊波 タイトルは『空模様と彼女』です。甘さ成分は・・・微糖ですかね・・・。

 何とかりもんのカリィ**様による挿絵付きです!!!



 











 雨が降っていた。



 灰色の空から大粒の雨がアスファルトに降り注ぎ、音を立てて弾ける音が耳に響く。
 長い間降っていたのか、やや明るいアスファルトの道路が黒く変色している。
俺はその空を、ワグナリアの従業員入り口からじっと眺めている。

 いつもなら、文句の一つや二つたれながら家へ帰り始めるのだが、今日は傘があり特に急ぐ必要もなかった。
むしろ暑い空気が雨で少しは冷やされるのでは? とも思ったが、食材が腐りやすくなったりするのはやはりいただけない。
 しかし、暑い季節に降り注ぐ雨に安心感を覚えるのもまた確かだった。

 さて、いつまでもそんなことを考えているほど暇ではない。
青い傘を頭上に広げ、玄関から一歩踏み出す。
踏み出した瞬間に傘に雨粒が降り注ぎ、パチパチ・・・いや、バチバチと音が鳴る。

 特に反応することも無く、走りもせずに雨の下を歩く。
道にできた分かりづらい小さな水溜りに足を入れると、裾に冷たい水しぶきがかかる。
それもまた微妙に心地よい気がして気にせずに歩く。しばらくしてから、洗う面倒を考え少し心が沈む。

 しばらく家を目指し歩き続ける。変わらないスピードで。何も考えずに。


 足を止めた。

「伊波さん?」

 その呟きが聞こえたらしく、木の下で雨宿りをしていた伊波さんが顔を向ける。

「・・・ぁ・・・」

 と口を開け、言葉が出てこないようだ。
買い物の帰りなのだろうか? 私服姿で、スーパーの袋らしき物をしっかりと両手で持っていた。
俺はほんの少し微笑みながらその木に近づき、木の下・・・木を挟んで伊波さんと背中合わせになるよう、雨宿りを始めた。
 多分伊波さんは不思議そうな顔をしているだろうが、特に何も言われなかった。

「・・傘忘れたんですか?」

「う・・・ま、まあ」

 詰まった返答に、また微笑んでしまう。

「小鳥遊君、傘あるよね・・・?」

「あー。どうせ家帰っても家事ばかりですし・・・一緒に晴れるの待ちましょうよ」

 今、少し恥ずかしい事言ったなあ、と自分でも思う。

「・・・何で?」

 その声には、戸惑いの気持ちが溢れていた。
俺は少し大げさに唸ってから答える。

「雨苦手なんですよ。薄暗いし、じめじめするし」

 嘘だ。
ただの口実。我ながらずる賢い。

「・・・私も嫌いかな」

「何でですか?」

 唸る声が後から聞こえ、返答。

「昔から、雨が降っていると何だか気分が落ち着かなくて。あ、具体的な理由は無いんだけど・・・」

 なんていうのかな・・・と、彼女は考え込んでいるのか、何も言わなくなった。

「・・・へえ・・・」

 そうそっけなく答えたが・・・何となく、本当に何となく、その理由は分かった気がした。

 そう思ったことは言わずに、

「じゃあ、俺も雨が苦手な理由が増えましたね」

「え・・・」

 その小さな戸惑いの声を聞くと、途端に自分の顔が熱を持ったのが分かった。
どうしよう、恥ずかしい。今日の俺の言葉は何か変だ。薄暗い空と雨のせいだろうか?
恥ずかしさで言葉に詰まり、やっと出た言葉が、

「げ、元気が無い伊波さんなんて気持ち悪いですから!」

 木が衝撃と共に揺れた。
伊波さんが殴ったのだとすぐに気づき、冷や汗が頬を伝うのが分かる。
まだ枯れているはずのない緑色の葉が何枚も水溜りへと降り、僅かな波紋を浮かばせながら水面に浮かび上がる。

「ホ、ホラ。少しは元気出たでしょう!?」

「うるさい」

 そう、少しフテくされた声で言われたが、逆にホッとした。
 さっきまでの空気が続いていたら、どうにかなってしまっていたかもしれない。


 でも、嫌いな理由が増えたのは本当なんですよ?

 雨雲に隠れて輝きを失う貴方なんて見たくない

「・・・あ」

 眩しく、輝き続ける貴方が見たい

「晴れたね!」

 見上げると、雲の隙間から青い雲が覗き始めている。
 そして・・・太陽が見えた。

「行こう! 小鳥遊君!」

 彼女は樹の下から飛び出して、俺を見て、笑顔でそう言った。

 眩しい・・・笑顔だった


「ええ。途中までですけどね。・・・手は繋ぎます?」

 俺はマジックハンドを取り出し、何回か開閉を繰り返した。

「・・・うん!」

 少し頬を染めながら彼女は頷き、マジックハンドを自分から掴んできた。
 雨が止んでご機嫌なのか、何時もより行動的だと思った。

 空はすっかり晴れていた。


 マジックハンドをしっかりと掴み、前を歩く彼女の髪が、太陽の光を柔らかに反射して輝いている。
 気がつけば、前後の位置もいつもと逆だ。俺が彼女にリードされている。

 当たり前といえば当たり前だ。
 この空は、彼女の物なのだ。
 主導権を握っているのは彼女。今、この空間。この世界は、彼女が中心なのかもしれない。

 俺も、微笑んだ。

「いい空ですね・・・」

「うん!」


カリィさんプレゼント



 ホラ




 まひるの空がよく似合う









 あとがき

 小鳥遊と伊波は、これほどの関係が最もそれらしくも感じられる気がします。べたべたとくっついて愛情を周りに振りまく感じは似合わない気が。
 だからといって片思いで終わってほしくないのも確かです。基本的にキャラの好意は報われないとやってられない正確なので。
 しかしそうなると、佐藤さんと八千代さんがくっついてほしいと考えるのも問題があるような気が・・・ううん難しい話ですね。

 書いていてとても楽しかった、自分にとっても好きな作品だったりします。周りの評価は関係がなく。これからもこういう・・・ほのぼというか、そういう作品を楽しく書ければいいなあ。

 カリィ**様の挿絵のおかげで、なんだかとても華やかになったと思います!!本当にありがとうございました!!
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2007-09-22 Sat 21:36 | | [ 編集 ]

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