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銀の働き部屋

管理人銀河の、日記兼テキストサイトです。取り扱うジャンルは主にヤングガンガン連載のWORKING!!になると思います。最近は東方の霖之助小説を書くのにも夢中。どうかよろしくお願いします。リンクはフリーです。感想は常に受付中です!もらえたら泣いて喜びます

桜舞い散る・・・? 小鳥遊×伊波






 さて、小説を更新したいと思います。
 タイトルは『桜舞い散る・・・?』です。どんどんタイトルが適当になっていっている気がしますが、気にしないきにしない。
 カップリングは小鳥遊×伊波。甘さはほとんどありません。前回のが長すぎただけかもしれませんが、今回は短めです。

 それでは、続きからでどうぞ。







 伊波まひるは、学校からワグナリアへ向かう道の途中、足を止め空を眺めていた。
 いや、正しくは・・・高く咲き誇る桜を見ていたのだ。
 伊波が歩いている道の途中に、ずいぶんと立派な桜が一本、綺麗に咲き誇っていた。民家の庭に生えていた桜なので、その一本しか桜は見ることができないが、そんなのは関係が無いというほど、枝の途中途中で小さく蕾が破裂したかのように、薄紅色の花びらが伊波の真上の空を覆い隠している。

「・・・綺麗・・・」

 思わずそんな言葉が口から洩れた。しかし、その言葉は十人が見たら十人がそう言うであろうというほど当然のことであった。
 辺りに見える植物が、雑草や、名前も分からない真緑の葉をいっぱいに茂らせた樹くらいしかない中・・・とはいっても、都会ではこのような樹を見る機会すら無いのだが・・・。その桜は目立ちすぎた。
 通る人全てがその桜に一度は目をやり、必ず想う、もしくは口にするのだ。「綺麗」と、一言。

 しかし、桜を題材にした歌でこんな歌詞もある。

 桜の花びら散るたびに 届かぬ思いがまた一つ

 そう。桜は国花でもあり、全ての人が一度は目にし、その美しさに花見などで人々は大いに盛り上がり、商業的にもその時期は日本が賑わうものだ。
 しかし、桜が満開となる時期はほんの一瞬だけ。桜の真の満開の姿は数日しか見ることが出来ず、その期間を過ぎればたちまち花は散り始める。
 そして散った花びらは地面の上で雨や人に踏みにじられ、美しかった姿をそこから思い出すことは困難となる。

 その桜の特徴を題材とし出来上がった歌が、先ほどの歌詞だ。

 人が誰かに恋い焦がれる気持ちはとても大きいものだ。好きな人を思い浮かべるだけで気持ちは高揚し、やる気は増し、その人自身の魅力をも高めていく。恋とは、人を変える物だ。
 しかし、恋は突然終わる。些細な喧嘩。知りたくなかった事実。気持ちのすれ違い。
 そして、失恋した者は周りの物が全てどうでもよくなってしまうような虚無感に襲われ、時には自らを堕落させ、・・・最後には、死を選ぶ者もいる。

 恋とは、人を燃え上がらせる。しかし、その恋が終わるのは突然で、終わった後は本当に切なくて、悲しくて。

 桜も同じだ。その美しい姿は人々の気分を高揚させるが、散ってしまうの一瞬で、その後にはみじめな花びらが地面に腐りながら溶け込んでゆくのみ。

 そんな共通点があるからこそ、桜を題材とした歌が多く、またその内容も悲観的な物が多いのだ。

 それが、伊波にはよく分からなかった。

 何で、こんな綺麗な花なのに、そんな綺麗な花の歌なのに悲しい歌詞にする必要があるんだろう?

 伊波の趣味は、恋愛小説を読むことである。
 当然その内容は様々な物があるが、最終的には、主人公のカップルは結ばれる物ばかりである。そのような小説の見せ所は、結果ではなく結ばれるまでの道のりなのである。出会い、進展、すれ違い、環境、様々な障害を主人公達がどう乗り越えて結ばれるということが大事なのである。
 しかし、有名な桜をテーマにした歌というのは、悲しみこそ全面に押し出しているが、最後は幸せになる・・・というような物は少ない。まあ、そもそも歌は物語とは違うのだから無理も無いのだが、悲しみを表現していることが多いというのは事実である。

 そんな悲しみが湧き上がってしまうから、伊波は桜をテーマにした歌が苦手なのである。
 それも仕方ない。何故なら伊波は、

「・・・私は、負けないもん!」

 絶賛恋愛中だからである。
 恋真っ最中の人が、悲恋や失恋の話を聞いて、その話を自分の恋愛につなげてしまうのはごく普通のことだと思う。
 まあ、恋は盲目という言葉があるように、本当に恋のみに燃え上っている人間は周りのことなど耳に入らなくなるものだが・・・ワグナリア代表、轟八千代等。
 だが、肝心の伊波と小鳥遊の関係は非常に微妙な所にあるため、色々と心配事が絶えない。

 まず一つ目。伊波自身の問題。
 言うまでもなく、伊波まひるは極度の男性恐怖症である。初期と比べたら驚くほど改善されたこの病気だが、完治したわけではなく。小鳥遊は現在でも伊波と遭遇する度に高確率で殴られている。
 小鳥遊が慣れてしまったと言えばそれまでだが、いつこの病気がきっかけで、もともと発展していない恋愛関係が完全にリセットされてしまうか分からない。

 二つ目。小鳥遊の問題。
 これまた言うまでもなく、小鳥遊宗太は極度の・・・該当する言葉が見当たらないので、小さい物大好き症候群とでも言うべきなのか、とにかく小さい物が無節操に大好きである。小さい物を愛でるだけならばまだ問題は少ないが、生まれ育った環境のせいで小鳥遊の心はかなり歪み、自分より年上の存在を嫌悪するまでになってしまっている。
 伊波の男性恐怖症と比べれば実害は少なく感じられる・・・が、小鳥遊自身がまるで暗示のように年増を自ら嫌っている兆候が見受けられるため、やはり伊波の思いは届きづらい。・・・まあ、伊波に積極性が足りないといったらそこでお終いではある。

 まあ、こんな困難を乗り越え乗り越え、二人の距離はだんだん縮まって・・・いるかどうかは微妙だが、少しずつ発展させていっている状態である。

「届かぬ思いとか・・・別れの時とかさあ。不吉だし、悲しいし・・・!」

 拳をぐっと握り締め、桜を見上げながらそんなことを呟いた。

「何が悲しいんですか?」

「きゃあっ!」

 後ろからの突然の声に、伊波が体をびくっと震わせた。
 慌てて後に振り返ると、少し離れた位置に、想い人小鳥遊宗太がいた。

「遠くからしばらく見ていましたが、なんか呟いたり、拳握り締めたり・・・かなり怪しかったですよ?」

「み、見てたなら言ってよ!」

 顔を真赤にしながら叫ぶ。その行動に落ち着きは一つも感じられない。
 何でこんなに焦っているのだろう?と言いたいばかりに首をかしげる小鳥遊だが、自分も空を見上げ、桜を見つめながら話し始めた。

「桜を見ていたんですか? この桜、綺麗ですよね」

 穏やかな表情で桜を眺める小鳥遊に、心も少し落ち着いた伊波が問いかける。

「昔からあったんだね。この木」

「知りませんでしたか? この桜は人気あるんですよ」

「私のバイトへの道、ちょくちょく変わっちゃうから・・・」

 てへ、と照れるよう伊波は笑った。伊波の通勤ルートは、できる限り男が通らない道へと変わっていくため、仕方がないといえば仕方がない。
 小鳥遊は、「そ、そうですか・・・」と若干苦笑いを浮かべて、また桜を見上げた。
 まだ日は高く、桜の上には青い空が無限のように広がっている。桜の木にいっぱいに咲いた花びらが、背景の濃い青色によく映えて見える。流石は国花。と言いたくなるような風格だ。

「・・・ねえ」

「ん? なんですか伊波さん」

重々しい雰囲気の声をかけてきた伊波に、若干の疑問を感じながらも、小鳥遊はそう返した。
伊波の顔は、どこか、悲しげであった。

「こんなに綺麗なのに、なんで桜が出てくる歌って悲しい歌ばかりなんだろうね」

小鳥遊はその言葉を聞いてから、一度桜の木を見上げ、それからまた伊波に視線を戻した。
やっぱり、伊波の顔は悲しげで、寂しげで、何やら物思いに耽っているいる様子だった。
そんな伊波をしばらく見てから、小鳥遊は一言、

「・・・気持ち悪っ」

「なっ!! ひどっ!!」

情け容赦なしにそう言った。
言われた伊波はというと、突然そんなことを言われるとは欠片も思っていなかったため、相当なショックを受けたらしく、目にはほんの少し涙が溜まっていた。

小鳥遊は嘲るように小さく笑ってから、

「男性恐怖症も治ってないのに、何気取ったセリフを言っているんですか?」

「なっ・・!!」

もっともなことを言われてしまい、恥ずかしさのあまりに顔を真赤にしながら伊波は息を漏らした。

「い、いいじゃない別に! わ、私がそんなことを言ってみたって!」

 口もはっきりと回っていないが、声だけは大きく腕をぶんぶん振りながらそう叫んだ。
 しかし、小鳥遊の表情はあまり変わらず。そしてなお伊波にこう続け始めた。

「いいですか伊波さん。そうやって、どんどんネガティブになってたら、男嫌いが治るのだって遅れてしまうでしょう?」

「うっ・・・」

「だったら、暗い歌なんかを探す前に、もっとポジティブに、明るい歌を探してみたほうがいいでしょう?」

 最後のほうは、優しく呼びかけるかのような表情で小鳥遊はそう言った。
 伊波はその言葉を聞き、確かにその通りかも。と、考えていた。
 私の男嫌いは精神的なものなのだから、男性との関わり・・・要は恋愛についてネガティブなイメージを持ち続けていたら、男性に対する印象も変わりづらくなってしまうんだ、と。

「・・・そ、そうだよね。ありがとう、小鳥遊君」

「いえいえ、何も大したことは言っていませんよ。それに、ほら。伊波さん着けているじゃないですか」

「え?」

 小鳥遊が指を指した場所は・・・伊波の頭。そしてそこには、毎日伊波がつけているヘアピンがあった。
 今日のヘアピンは・・・さくらんぼのヘアピン。

「さくらんぼの木と、この桜の木の種類は違う物ですけど、どっちも桜属の木です」

「・・・うん」

「さくらんぼなら、有名な歌があるでしょう? ・・・少し、古いですけどね」

 伊波は、さくらんぼを題材にした歌を思い出した。そして、その曲はすぐに見つかった。
 その歌詞は、確かに恋愛に対して前向きな歌詞であった。

「その歌みたいに、ポジティブに。少なくとも」

 小鳥遊は自分の胸に手を置いて、笑顔で一言、こう言った。

「俺はあなたの隣にいますよ」

 その言葉を聞き、伊波は顔が爆発するんじゃないかと思うほど恥ずかしさで顔が真っ赤に染めあがったが、その言葉自体は嬉しくて、死んじゃいそうなほど嬉しくて、深く一回頷いた。

「・・・って、そろそろ時間ですよ。行きましょう、伊波さん」

「あ・・・う、うん」

 小鳥遊がワグナリアへ向かって歩き出したが、伊波はすぐには向かわず、桜の木を見上げた。
 しばらく見てから、何かを決意し、もう一度頷いた。

「伊波さーん? どうかしましたかー?」

「ううん。今行くー!」

 最後にもう一度、桜の木に目をやってから、伊波は小鳥遊に向かって駆け出した。


 確かに、桜は咲いて散る物。その散り様は一瞬な物。
 でも、その花は綺麗で、人を幸せにして、時には勇気をくれる。

 もらった勇気を振り絞って頑張れば、いつか、その行動は実を結ぶ。

 きっと、これからいろいろなことがある。

 ヒドイコトもされるだろうし、私からヒドイコトもいっぱい言うかもしれない。

 それでも、そんな思い出も含めて・・・中身がいっぱいに詰まった実を結ぶ。

 笑顔を咲かせて、あなたと繋がっていたい。

 きっと大丈夫。だって、

 隣りどおし あなたと

 わたしさくらんぼ
 
 






 あとがき

 ・・・・正直自分では微妙な作品になってしまったと思っているのですが、どうでしょうか・・・?
 歌を絡めた作品を一度書いてみたいとは思っていたのですが、あまり歌の意味がなくなってしまったような気がするのが非常に残念です。歌古いしね。最近の歌知らないしね。でも、さくらんぼは今聞いても大好きな曲です。本当に楽しいと思える素晴らしい歌だと思います。・・・・でももう何年前の歌なんだろう。5,6年・・・?
 前回が甘甘だったので今回はほぼ甘さ皆無で書いてみました。話も短めで、書きやすかったです。次は佐藤×八千代で書きたいですけど、ネタが全然浮かびません・・・・。頑張ります。

 では、見てくださりありがとうございましたー。
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コメント

初めまして。伊万里と申します。
とても面白かったです!
小鳥遊と伊波の組み合わせ最高です。
私、コブクロが大好きなので
コブクロの「桜」の歌詞がでてきて嬉しかったです。
確かに「桜」の歌詞は切ないですよね。
でも、これだけは主張させて下さい!
「君の中に 僕の中に 
        咲くLOVE(←桜とかけてる)」
というところも忘れないで下さい!

という、しょーもないコブクロファンの主張でした。
2010-06-28 Mon 16:01 | URL | 伊万里 [ 編集 ]

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