銀の働き部屋

管理人銀河の、日記兼テキストサイトです。取り扱うジャンルは主にヤングガンガン連載のWORKING!!になると思います。最近は東方の霖之助小説を書くのにも夢中。どうかよろしくお願いします。リンクはフリーです。感想は常に受付中です!もらえたら泣いて喜びます

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神様にお願い 佐藤×八千代




 さて、何回か今までの雑記でも書いていますが、ここに載せていない過去に書いた小説を幾つか見つけたので、さっそく載せていきたいと思います。

 カップリングは、佐藤×八千代です。むしろ佐藤→八千代って感じですが。
 タイトルは、「神様にお願い」です。甘さは殆どありません。

 なにせ昔に書いた小説なので、微妙に現在のWORKING!!と相違点があります。
 佐藤さんが車で通勤してることを知らなかったので、この小説だと徒歩通勤になっています。八千代は未だに分からないので、なんともいえませんが・・・。
 あと、WORKING!!のかなり序盤で書いた記憶があるので、佐藤さんがやたら八千代に遠慮してる感じになっています。確か、お前のうしろに幽霊が見えるんだ、よりも前に書いています。
 段落の使い方なども現在と違いますが、昔に書いた、ということで生温かく見守ってくれるとありがたいです。

 では、続きからでどうぞ!






 



この世にいると思われる神様

俺は、今まで生きてきてそこまで神様に頼みごとをしたことなんかねえ

せいぜい家族で初詣に行き「今年ものんびりできますよーに」とかが最高ランクの願いだ

だからよ

今更「願いを叶えろ」とか命令形で言ったりはしねえ

大体、悪いのはハッキリしねえ俺じゃねえか

アイツは悪くない

アイツは極めて純心

要はピュアだピュア

・・・でもよ

宝くじの1等賞当選者とかに幸福与えるくらい太っ腹ならさあ

・・・一握りの幸せくらいくれねえかな?





「今日はさみいな」

レストランの窓から覗く真っ暗な空を見て呟いた。
もう少しで俺の仕事は終わり、着替えてさっさと帰ることになるだろう。
しかし、正直北海道の冬は堪える。もちろん、それ相応の厚着はしてきたんだが。それにしたって、って気分になるのくらいは許してもらえるはずだ。うん。

・・・それにしてもいいバイトだ。
そんなに忙しくもないのにちゃんと金は入る。ダベってても何をしていても関係無し。

 アイツに、会えるしな


「そうだね。雪でも降るかな」

「困るな。無駄に寒い」

俺は基本的に歩いて帰る。
雪でも降られたら濡れるし寒いしでいいことなんか何一つねえ。
・・・いや、あるにはあるのかもしれないが、確実にそんなシチュエーションに恵まれることはねえだろう。少なくとも、俺は。
俺はそういう方向ではとことん、本当にとことんツキが向かない。

「ま、なんとかなるんじゃないかな。・・・そろそろあがり?」
「おう。そうだな・・・じゃ、お疲れー」
「お疲れ」

後ろを見ずに顔の横で手を振り、更衣室へと向かった。







「やっぱり寒い」

ファミレスから出てすぐに出た言葉がそれだった。
吐く息は真っ白だし、首や手などが一気に冷え切り感覚が無くなるのが分かる。
幸い雪は降っていないが、全く星が見えないのを見ると十分心配する必要がありそうだ。

「走って帰るか・・・」

そう呟き歩き出そうとした時、すぐ後ろの従業員用出入り口が開く音がした。

音に気付き振り返ると、そこにいたのは我等がファミレスのフロアチーフだった。

・・・いや、その前に俺の想い人でもあるんだがな。

「佐藤君。今帰り?」

「お前もか。・・・八千代」

彼女の名を呼ぶと、彼女は静かに頷いた。
お前もか、というか・・・シフトは決まっているのだからこの返答はおかしい。いや、そもそも今日も会いまくってるし。
しかし、俺は基本的にパッパと着替えを済ませ、あまり周りを見ずに帰る。なので、今までここで帰り際に会ったことはない。
それに、コイツは自分の仕事を終わっても店長に付きっ切りでなかなかでてこないからな。
今日は少し考えごとをしながら着替えたため、普段より遅れたから会えたのというのもあるだろう。
・・・今思えば、毎回こんぐらいの時間で帰ればよかった。と邪な考えが浮かんだ。

「今日は寒いわね」

「ああ・・・おまけに暗い」

「これだけ暗いと不安になるわね・・・」

「・・・ああ」

その言葉を聞いて、俺は少し考えこんでしまった。
勝手な妄想なわけだが、そのセリフが「送ってくれない?」に聞こえなくもなかったからだ。
・・・うん、改めて考えたが、完全な妄想だな。学生か俺。いや、大学生だけどよ。

「・・・送るか?」

しかし、俺の口を動かす脳は妄想で確定してしまったのか、そんな事を口走ってしまう。
どうしよう。もの凄く恥ずかしい。帰りたい。あ、これから帰るんだよな。どうしたマイブレイン。
反応によってはもの凄くブルーな気分にもなってしまうため、彼女の顔を見ることもできない。

「・・・お願いしようかしら」

・・・うぉーい予想外の展開?
まず喜ぶとか以前に俺のこの心臓が鳴り続けて破裂しないかどうかの心配が先な気がする。
八千代をチラリと見ると、こっちを見ながらニッコリと微笑んでいる。
そして俺はまた視線を逸らす。顔が赤いのが知られると恥ずかしいからだ。

「・・・じゃ、行くか。どっちだ」

「こっち」

「・・・同じ方向か。行くぞ」

・・・あーあ、我ながらそっけない反応。
自分で自分が嫌になる。どうにかなんねえのかねこの性格。
後ろから、慌てて駆け出す足音が聞こえて振り向いた。
彼女は先ほどと変わらない笑顔で俺のほんの少し後ろを歩いている。
それだけで相当可愛らしくて俺は視線を前に戻した。

ダメだ。この短時間で俺の心臓の鼓動は相当な速さへと変化している。
一緒に帰るだけでこんな反応・・・本当に中学生みたいだな。
歩き出してまだ数分だが、この時間が俺にはとんでもなく長い時間に感じられた。
幸せな時は短く感じる・・・というもんだけどな。
・・・いや、幸せじゃ、ねえのかね。

 ・・・コイツはどう思っているんだろうな。

「なあ八千代」

「何? 佐藤君」

「・・・誰かと一緒に帰ると安心するか?」

俺と、という言葉はあえて省いた。
さすがにそこまで言うと感づかれる気がする。・・・いや、心配なさそうだけどよ。俺、臆病なんだわ。


「ええ。・・・特に佐藤君は信頼できるから」

「・・・そうか」

あー。今結構死んでもいいくらい幸せだった。
心の中の俺は今ガッツポーズをとりまくっていることだろう。
あれ、何心の中とか言っているんだろうな。壊れてきたか俺。

「ねえ佐藤君」

「何だ?」

「私と歩いていて楽しい?」

今飲み物を口に含んでいたら間違いなく吐いているであろう、精神的な衝撃がノーガードの俺に襲い掛かる。
何だ、先ほどの攻撃の反撃か。意外と攻撃型か。驚くほど思考がまとまらないっ。

「楽しいと言われると少し困るがな・・・。一人で帰るよりはずっといいな」

「私も。やっぱり一人だと心細いもの」

・・・こんな俺でも頼りにされるのか。

先ほどの壊れた脳内暴走に比べて、思考がぼんやりしているのは気のせいではない。
なんだか・・・ここまでうまくいっていると信じられなくなる。

俺の見解としては、この状況は最高にいいシチュエーションであって、彼女も微笑みを絶やさない。
ハタから見れば、カップルにしか見えないのかもしれない、と思うくらいだ。

夢なら覚めないでほしい。今までの事から考えると、今の状況は幸せすぎるんだから。
もしかしたら、今のこの瞬間が、俺とコイツとの一番いい状況なのかもしれない。
卑屈な考えだが・・・あながち間違いでもないはずだ。

「本当に今日は寒いわね・・・」

「あ、ああ・・・そうだな」

ずっと考え事をしていたので少し動揺してしまった。
確かに・・・俺はずっと恥ずかしさや嬉しさで暖かいのだが、八千代にとってはかなりキツイはずだ。
・・・女性は、ほぼ例外なく冷え性、なんだよな? あれ、でも・・・皮下脂肪は女性の方が多いんだっけ? ・・・あー。考えてもわかんねえや。俺男だし。うん。

「・・・雪?」

目の前に白い粒が落ちてきたので、つい呟いた。
空を見上げると、真っ暗な空から、驚くほどはっきりと白い粒が降り注ぐのを視認できた。
外灯の明りを雪が吸い込んで、その雪はきらきらと輝いている。

・・・へえ、このシチュエーションに俺が遭遇できるとはねえ。

ファミレスの中で、絶対に経験することが無いだろうと思われた事態に遭遇していることに、思わず俺は感心してしまった。ん? 何でこんなに落ち着いているんだ?

「雪・・・寒いわけね」

彼女の声が少し沈んでいる気がしたので、勇気を出して顔を見た。

よほど寒いのか、頬は紅潮し、手袋もしていない手も赤くかじかんでいる。
両手を口の前に運び、ゆっくりと吐息を吹きかけていた。
更によく見ると、肩がふるふると震えている。

その姿を見て、胸が静かに痛んだ。

「大丈夫か?」

「え? だ、大丈夫。平気よ?」

「・・・手真っ赤じゃねえか」

さすがに、寒そうな八千代を見ると、自分のくだらない考えなんかどうでもよくなっていた。
俺が見る限り、八千代は相当寒そうだから。見てるだけで痛くなるほど赤くなった耳を見ると、また胸が痛んだ。
彼女にはどう見えているのかは分からないが、俺は心配して・・・





 彼女の手を自分の手で包んだ





 自分がした行為がどのような事かを認識したのは、数秒経ってからだった。


え・・・心配していたからって、俺は何をやっている?
俺は今・・・何を包んでいる?
・・・何をしている?

恥ずかしいとかそういう考えはなく、とにかく思考回路がショートしそうだった。
無意識にやってしまっただけにタチが悪い。何をしていいのか、何を喋ればいいのか全く分からない。思考停止。思考停止。もう少しだけ頑張ろうぜマイハート!!

このまま、無理矢理手を放して逃げるというのも手だ。
彼女がどう思っているか分からない。とりあえず、この場から逃げ出したいと思う。そんな考えが真っ先に思考を埋め尽くしている。

よく考えてみれば、好きでもない男にいきなり手を握られたんだ。
俺は男だが、女としてはそれがどれほど嫌なことなのか。・・・想像するのはそんなに難しいことではない。
そして、俺はそれを現在進行形で行っている。

最低だ。自分の心の底の欲望が、この行動を生んだ。
彼女に触れてみたいと、本当に考えていなかったのか?
彼女に優しくして、好感度をゲットしたい! そう、思わなかったのか?

 答えは、NO。NO。NO。オーマイガッ。帰れジョセフ。



いや、考えてみれば、いい機会だ。

いくら俺でも、成就することが無い恋愛をいつまでも続けられる自信は無い。俺の心は、そんなに強くないしな。

ならば・・・いっそ拒絶してもらえば吹っ切れる。
彼女を想う気持ちを完全に振り払うことができる。

それがどれだけ辛いことかは考えられない。

でも、俺は最低な事をやったんだ。当然の報いだ。


頼む。拒絶してくれ。この手を振り切ってくれ。
そうすれば、俺は解放される。ハッキリしないまま、他の恋を見つけられない自分から。



でも、これも最低な考えだと思った。
いきなり心に真っ黒な闇が落ちて来た気がした。

自分の気持ちも伝えず、勝手にあれこれ考えて、勝手に恋を諦めている。
そんなの、彼女をちゃんと想っていないということだ。
勝手に一人で考えこんで、自分の気持ちすら裏切っている。
こんな風に想うなら、最初から好きになんじゃねえクソが。自分をそう叱りたい。

いや、叱ろう。
この、ゴミ野郎。

(どうすりゃいいんだよ・・・!!!)

涙が出そうだった。
どうしていいか、分からなくなった。

寒空の中、俺一人だけが取り残されている気分だ。手には、八千代をはっきりと感じているはずなのに。

助けてくれ。誰でもいい。来てくれ。

そうすれば、手を放して言い訳をして誤魔化して、何とか前の関係のままでいられるかもしれない。

まだ彼女を愛せるのかもしれない。


小鳥遊、伊波、種島、店長、音尾のおっさん、相馬、山田、松本!




「あったかい」




その言葉が耳に入っても、しばらくの間理解できなかった。
何秒かしてから、俺は彼女の顔を見た。

その顔はほんのりと紅潮している。それが寒さ以外が原因なのかどうかは、俺には分からなかった。
多分、俺の顔は笑っちゃうくらいに唖然としていると思う。

とりあえず、そんなぼんやりとした思考の中で理解できたことは、彼女は俺の手を振り切ったりはせず、そのまま俺に微笑んでいるということ。


「凄くあったかい。佐藤君の手」

気のせいか、先ほどよりも頬を赤くして・・・彼女は俺に最高の笑顔を見せてくれた。


気づけば、振り続ける雪は、彼女を包んでいる俺自身の手に少し積もっていた。

・・・冷たさなど、全く感じないが







この世にいると思われる神様

ありがとう。幸せをくれて。いや、マジで感謝してる

これから初詣もしっかりやるよ。実家に帰ったら神棚も掃除するよ

だからさ・・・頼む、もう1つだけ願いを聞いてくれ

ガキの頃から、誰でも普通1度は願うことだと思うけど、俺は願ったことねえから

だから、今この願いを叶えてくれ




時間を、止めてくれ










 あとがき

 これはなかなかいい思い出の多い小説なんですよね。
 昔、2ちゃんねるのエロパロ版に小説を投稿してた際に、なかなか好評をいただいて凄い嬉しかった記憶が残っています。書きこみで、
「佐藤さん感情出すぎだろw」って書きこみに、「俺は笑ったり悲しんだり毎日表情豊かに生きてるぞ」って書きこみがあった時は涙が出そうになった(ぇ

 まあ、小説の話ですね。なかなかノリノリで書き切った記憶があります。確か、佐藤×八千代小説で一番初めに書いた小説はこれのはず、です。
 相当昔に書いたはずなんですが、クリスマス小説と佐藤さんの感情表現があまり変わらない気がするなあ。
 佐藤さんを心の底から可哀想と思ってた時期に書いたので、佐藤さんの精神を書くのは楽しくてしょうがなかったです!!(オイ

 そういえば小説とは関係ないけどさ。大みそか辺りのうろんなページのTOP絵のミリ、エロくね?(黙

 では!!


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佐藤×八千代 | コメント:2 | トラックバック:0 |
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コメント

あけましておめでとうございます。新年初コメです。
これは確かに佐藤さんが通勤車だとできないですよね。手って。手ぇ握るって。しかも慌てるって無意識って。まったくもう、可愛いなぁ!←

佐藤さんの焦りは最もなんですが、八千代がそれを拒絶しなくて良かったなぁ。彼女らしい優しさなんでしょうし相手佐藤さんだから良いものの、同性としては八千代はもっと警戒心持った方がいいと思います(笑)ラストの時よ止まれなくだりは確かに感動モノでした。なんだかんだで名コンビな二人に乾杯です(何
2010-01-02 Sat 16:57 | URL | 蛍火メイ [ 編集 ]
あけましておめでとうございます。

佐藤さんは普段は車だけど、この話の時は車を足立あたりに貸してたってことで脳内補完してました。
手を握って温めてやるって・・・・・・すごくいいシュチュエーションですよね!
佐藤さんの片思いってただでさえ八千代が鈍いのに、更に店長その他の障害が多すぎて前途多難ですからね。この話みたいに時々報われてほしいところです。

それでは、これで失礼します。今年も作品を楽しみにしてます。


アニロワなんてものがあることを初めて知りましたよ。ただ、参戦作品を見て少し気になったのですが、けいおん!や咲のメンツが他の作品のキャラに勝てるのかと思ってしまいます。戦い慣れてるガンダムやコードギアスの連中ならたとえ支給武器が原作で一番外れのフォークでも問題なく戦えそうです。
一時期バトロワにはまっていたとはいえ、自分の好きなキャラが作中で死んでたらダメージがでかくて数日引きずりそうなので、今読むのはやめておきます。
2010-01-04 Mon 07:16 | URL | 赤髪の探偵 [ 編集 ]

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