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銀の働き部屋

管理人銀河の、日記兼テキストサイトです。取り扱うジャンルは主にヤングガンガン連載のWORKING!!になると思います。最近は東方の霖之助小説を書くのにも夢中。どうかよろしくお願いします。リンクはフリーです。感想は常に受付中です!もらえたら泣いて喜びます

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門番の心店主知らず  霖之助×美鈴



 リクエスト小説も書き上げていないのに申し訳ないですが、しばらく前にpixivに投稿していた東方小説をまだこちらに載せていなかったので掲載させていただこうと思います。

 一応の報告ですが、リクエスト小説の一つ目は書き始めています。一応どういう内容にするか、というのもおおまかには考えてあるのですが、いかんせん文章が浮かばずあまりはかどっていない。というのが正直な所です。
 目標としましては、11月上旬までに書き上げるつもりでいます。奏莉亞さん、もう少しお待ちください。


 さて。東方です。
 霖之助×美鈴で「門番の心店主知らず」です。神龍よ。オラにネーミングセンスをくれ。

 最近、霖之助カップリングの中でも美霖がかなり好き、という事に気づいたので書いてみた作品。昼寝してしまって寝れなかったので一晩で書き上げた意欲作。短めですけど。でも正直、これくらいの長さで毎回書きたい。と自分では思います。

 それでは、続きからでどうぞ。




 






 ああ。

 こうしていると、本当に落ち着くな。


 魔法の森入り口にひっそりと建っている、古道具屋「香霖堂」店主。森近霖之助は、魔法の森の中に広がる大きな古池を目の前に、釣竿片手にそのようなことを思いながら、そっと目を閉じた。
 目を閉じることにより、夏も盛りである魔法の森から生じる、様々な夏の音をより集中して聞くことが可能となる。
 色濃く葉を茂らせた木々が、夏の風に揺られながら響かせる葉鳴りの音。
 そう遠くは無い内に、その命を散らせる宿命にあるのであろう蝉達が、少々騒々しく感じる程に生命を主張する音。

 そして、時折池の水が、ぽちゃりっ、と跳ねる音。
 ……成程。魚は間違い無くいるようだ。霖之助の目の前に構えられているこの釣竿は、もう一時間程も竿を曲げてはいないのだが。

 ……まあ、いい。と、霖之助は微笑みを浮かべる。

 釣りとは、己の忍耐との勝負である。少なくとも、霖之助はそのように考えていた。釣果を焦り、場所をすぐに移動しようものならば、それこそ釣れる魚も釣れなくなってしまうことだろう。
 だから、霖之助は待つ。「動かない古道具屋」の二つ名に恥じぬよう……というわけでも無いが、待つ。

 それに、だ。
 例え釣果が無くとも、霖之助にとっては、滅多に訪れることの無い、誰にも邪魔をされない安息の時間。それを、自然が奏でる音色。香り。陽気と共に過ごせるだけでも、今日こうして古池に来た価値があるというものだ。
 と、自然への感謝を深め、霖之助は深呼吸を一つ。新緑の香りが鼻孔をくすぐる、心地よい感覚が彼を満たす。

 池の傍の木に背中を預け「いっそのこと、一眠りでもしようか」と、体の緊張を更に解きほぐす。
 こうするだけで、木々に囲まれているおかげで、夏という季節にそぐわないほどに涼しさの感じられるこの場所では、すぐに睡魔が……




「わっ!!」




 そろそろ意識も手放そう。という時に霖之助の耳へ飛び込んできたのは、誰かの大声。そして、その直後に聞こえてきたのは、彼が背中を預けていた木の上で一休みしていたのであろう小鳥達が、その声に驚き慌てて飛び立つ音。

 しかし、鳥たちとは対照的に、霖之助は微動だにしなかった。変わったことといえば、眠りにつく直前でとても穏やかであったその表情が、少々険しい物となったことくらいだろうか。

「……あれ。リアクション薄いですね」

「それはそれは。失望させてしまったようで申し訳ないね。……美鈴」

 残念そうにため息を吐く彼女の声を聞くと、霖之助は嫌味たっぷりの棘のある言葉を口にしながら、ゆっくりと目を開いた。
 夏の明るさに目を何回か瞬かせたが、すぐに目の前へと映ったその姿は、霖之助が名を呼んだ正にその人。紅魔館門番を務める、紅美鈴が、霖之助と視線を合わせるようにしゃがみこみ、霖之助の瞳を見つめていた。

「こんにちは、霖之助さん。今日はお店はお休みですか?」

 にこっ。と、この夏の陽気に負けない眩しい笑顔を浮かべて、目の前の門番は爽やかに挨拶をした。
 そんな彼女の眩しい笑顔を見ても、霖之助は顔色一つ変えずに口を開く。

「こんにちは、美鈴。質問には『はい』と応えておこうか。君はサボりだね?」

「私をなんだと思っているんですか!?……まあ、そうですけど」

 がーん!という擬音が背後に見える程に、分かりやすくショックを受ける美鈴。
 しかし、その表情程彼女がショックを受けていないことは、霖之助には容易に想像できるのであった。

「自分の胸に手を当てて考えるんだな」

 霖之助が更に棘を含んだ言葉を続けると、美鈴は実際に自分の胸に手を当てて、しばらく黙りこんだ。
 そして、

「大変です霖之助さん。私、心臓が鳴っていません」

 と、酷く真剣な眼差しを浮かべながら言うのであった。

 ……平均より幾らか豊かであるその胸を利用したボケであることは誰から見ても明らかであったが、そのような下品かつ低俗な趣に付き合う義理はさらさら無い。

「そうか。いい医者を紹介するから今すぐ行ってみるといい。きっといい暇つぶしになるはずだ」

「……霖之助さん、なんか怒っていませんか?」

 首を傾げながら、単純に確認するかのように美鈴が尋ねると、霖之助は少し皮肉な笑みを浮かべた。

「全然。『これから一眠りしようと考えている所を、突然の大声に邪魔されたから』といって怒るような度量の狭い人間では無いのでね」

 そう、一部を明らかに強調させながら霖之助が答えると、美鈴は「へえ」と息を漏らす。

「……意外と面倒くさい怒り方をするんですね」

「感心する前に謝罪の一つでもしたらどうだ?」

「すいませんでした。でも、霖之助さんが怒るとどんな感じなのかわかって、少し嬉しいです」

 ぺこり。と軽く頭を下げながら謝罪の言葉を述べた後、そのように続け、美鈴はまた笑った。
 そんな笑顔を見ると、嫌味ったらしく怒っていた自分が情けなくなって、霖之助は深くため息を吐いた。

「……その笑顔に免じて、許すことにしようか」

 今度は嫌味の無い、純粋な微笑を浮かべ霖之助が言うと、美鈴も嬉しそうに微笑んだ。

 そこでようやく、霖之助は、美鈴も釣り竿を手にしていることに気づく。

「君も釣りをするのかい?」

「ええ。数少ない趣味の一つなんですよ。仕事をサボってここに釣りに来たら、霖之助さんがいたので、少し驚かしてみよう!と思ったわけです」

 もはや、仕事をサボっていることも、霖之助を驚かせたことも悪びれる様子なく、美鈴はハキハキと答える。非常に彼女らしい返答に、霖之助はもはや安堵感すら覚えた。

「霖之助さんも、よく釣りには来るんですか?」

「いや。それほど頻繁に来るわけではないよ。たまの休息に糸を垂らす程度だ。残念ながら釣りの心得もそれ程無くてね。既に一時間はこのままだよ」

「ほほう。それならば、お手本を見せましょう!」

 自信満々にそう言うと、美鈴は霖之助の横に座り、手慣れた様子で釣り竿の準備を始めた。
 あとは餌を付けるだけ。という時に、美鈴が周囲を見回し始めた。どうやら餌は現地調達するタイプらしい。何というか……男らしい。まあ、確かに虫やミミズを怖がるタイプには見えないが。

「餌ならば、これを試してみないか?」

 霖之助は自らの腰に付けているポーチから、小袋を一つ取り出した。
 様々な文字が書かれたその袋の中には、まるでミミズのようではあるが、半透明で変わった形状をした……美鈴にとっては得体の知れない物が入っていた。

「それは?」

 美鈴が尋ねると、霖之助は袋の中から「それ」を一つ取り出して、美鈴の前へと掲げた。

「これは外の世界から入ってきた商品でね。商品名は『ワーム』。虫、を示す言葉だ。用途は『疑似餌』。これは人工物で生物ではないのだが、これを餌の代わりに利用することによって、魚を釣ることができるらしい」

「へえー」

 感心したように声を漏らしながら、美鈴は指でワームを弄繰り回す。
 あまり経験したことの無い、ぶよぶよとした感触に、半ば心を奪われてしまっているようにも見える。

「今日は、休息と、この商品を試すために来たんだ」

「でも、一時間は釣れてないんですよね。ダメなんじゃないですか?これ」

 ズバッ、と美鈴が言うと、霖之助は思わず片方の肩をがくっと下げさせた。

「……僕に才能が無いだけかもしれないからね。認めたくは無いが。折角だから使ってみてくれ」

「じゃあ、物は試し、ということで」

 美鈴の手の上にワームを乗せながら霖之助は答え、美鈴もそれに応える。
 先程のだけでは足りなかったのか、更に指でワームを弄繰り回す美鈴であったが、とりあえずは満足したようで、釣り針にワームを取り付ける。
 糸を目の前で垂らし、ワームをまじまじと見つめる美鈴。なるほど、魚の目から見れば、これは間違いなくミミズに見えるだろう。と、ワームの出来に多少感心する。

「さーて、どの辺かなー」

「魚がいるポイントが分かるのかい?」

「はい。気を探るのは私の得意分野ですから」

 古池をキョロキョロと見渡す美鈴に霖之助が問いかけると、美鈴は古池から目を離さずに答える。
 しばらくしてから「あそこかな?」と呟くと、釣竿を振りかぶり、手首のスナップを効かせるように振ると、ワーム自身の重さに引っ張られるように釣り糸は伸び、美鈴が狙いを定めた場所へ、寸分の狂いも無く着水した。

「へえ。大したものだ」

「まだまだこれからですよー」

 霖之助の賞賛に短く答え、美鈴は釣竿を自然に構える。
 それから、くいっ、くいっと釣り竿の先を小さく動かす。手自体は殆ど動いていない程その挙動は細かく、釣竿の先だけが微かに動いている。その動きは、釣竿から糸へ。糸から浮きへ。そして、釣り針と餌であるワームへと順番に伝わっていく。
 何十秒が経っただろうか。釣竿の先が、美鈴が動かしている規則性に反し、下へとしなる。

 それを確認し、一拍置いてから、美鈴は釣竿を素早い動作で上へ掲げる。
 すると糸の先の浮きが浮かび上がり、更にその先には、小さな魚が一尾、太陽の光を鱗に反射させながら輝いていた。

「一丁上がりです♪」

 眼の前へと魚を手繰り寄せ掲げると、美鈴は満足そうに笑って、霖之助へと向き直った。
 その釣りの技術に、霖之助は純粋に感心し、思わず拍手で彼女の釣果を祝福する。

「疑っていたわけではないが、素晴らしいな」

「えへへー」

 霖之助の賞賛の言葉を聞いて、美鈴は照れくさそうに笑う。
 すぐに霖之助が、店の商品の一つであるクーラーボックスの中に池の水を入れ、美鈴に魚を入れるように促す。彼女が魚を慎重に釣り針から外しクーラーボックスの中へ入れると、魚はゆっくりとクーラーボックスの中を泳ぎ始める。

「いやー。凄いですよこの餌。生きているミミズと食いつきが変わりません。えっと……わあむ、でしたっけ?」

「好評なようで、道具屋冥利につきるよ。……やはり僕に釣りの才能は無いようだね」

 少し自嘲気味に霖之助が言う。もっとも、彼自身は別に自分にそこまで才能が無いとは思っていないのだが。
 美鈴程釣りが上手いわけではもちろん無いが、霖之助にも大漁の時はある。今回は一時間程糸を垂らしても釣果が無かったわけだが、それはあくまで「そういう時もある」という言葉の範疇内で、決して釣りの才能が皆無であることをそのまま指し示しているわけでは無い。
 それを理解しているからこそ、霖之助もこのように自嘲の言葉を吐けるわけだ。

 ……なのだが。

「そんなことありません!練習すれば、霖之助さんだって上手くなれます!」

 内心冷静な霖之助と対照的に、真剣な表情で彼へずいと詰め寄りながら、やはり真剣に言うのであった。

「あ。いや、美鈴?」

「さあ!まずは練習です!私にできることならば教えますよ!」

 ぐっ、と拳を握り締めながら言う美鈴。そんな彼女を言葉で説き伏せるのは、一苦労だろうなあ。と、霖之助は、大して困ってもいないようにも見える困り顔を浮かべながら、内心思うのであった。

「……それじゃあ、ご教授願おうか。美鈴」

 糸を垂らしておいたままだった釣竿を持ち上げながら、霖之助は返事をする。

 ……が、釣竿が何となく重いような気がして、釣竿を縦に掲げた。
 すると、糸の先にはワームだけではなく、白い輝きを放つ魚が一緒についてくるのであった。

「……」

「……」

 ぴちぴち、と糸の先で尾ひれを動かす魚を目の前に、霖之助と美鈴はしばらく黙りこむ。

「……良かったですね!才能、ありましたよ!」

 沈黙を破ったのは美鈴で、普段の彼女のそれと比べると少しぎこちない笑みを浮かべながら、そのような賞賛の言葉を述べる。

「……その言葉は、真剣に竿と向き合っている時に聞きたかったな」

 目の前で元気にぴちぴちと動く魚とは対照的に、沈んだ口調で霖之助は答える。

 そして、霖之助と美鈴の視線が合う。
 それを切っ掛けとするように、二人はしばらくの間笑い合った。

「……僕に才能はあったようだが。折角だから、更なる才能の助長に一役買ってもらおうか。美鈴」

「はい。もちろんですよ。霖之助さん」

 その普段と変わらぬ眩しい笑顔に安堵感を覚える。

 そして、霖之助は決めた。

 釣りが終わったら、その魚を彼女と共に調理し、共に食べよう。

 そして、共に笑おう。

 美鈴が霖之助の手を取り、竿の振り方をレクチャーし始める。
 ちら、と横目で美鈴の表情を伺う。
 その笑顔はやはり眩しくて。優しくて。

 ……ああ。


 こうしていると、本当に落ち着くな。


 隣に誰かがいる。その温かさを感じながら、森近霖之助は太陽の光を反射させる美しい水面へ向かい、釣竿を振るうのであった。







 この人は、きっと気づいていないんだろうなあ。

 釣り糸を池へと垂らし、真剣な眼差しで竿を見つめ、その竿を小刻みに動かしている霖之助さんの横顔を見つめながら、私はそんな事を考えていた。
 膝を抱えて座り込んでいると、視線が殆ど彼と同じになって、何だか安心できる。

 手の平を、ひらひらと彼へと向けて振ってみた。しかし、竿に意識を集中させている彼には、そんな私の姿はまるで映っていないらしい。
 それほど真剣に、私が教えた釣りの技術を身につけようとしている霖之助さんの姿がなんだか面白くて、私は思わず微笑んだ。

 きっとこの人は。こう考えているに違いない。

『暇な釣り人である自分をからかう。ただそれだけのために、美鈴は話しかけてきたのだろう』

 と。

 実際は、そんな簡単な話ではなかったのに。


 まあ、私が仕事をサボって、釣りをするためにこの池へと訪れた。それ自体に、嘘偽りは一つも無い。

 だが、池へ近づいてふと周囲を見渡し、木陰で休む霖之助さんを見付けた時。
 どれほど、私の心臓が大きく高鳴ったか。

 それを、この人はわかっていないのだろう。


 どう話しかければいいか。
 ぱっと見た感じ、眠っているように見えたので、驚かすように話しかければ、きっと会話の切っ掛けになるのではないか。
 そして話しかける直前、何回と深呼吸を繰り返し、どれほど覚悟を決めた上で話しかけたか。

 そんなこと、この人はわかっていないのだろう。


「どうですかー?霖之助さん」

「ちょっと待ってくれ。もう少しでコツを掴めそうな気がしてね」

 私が声をかけると、霖之助さんは決して竿から目は離さず私の言葉に答えた。
 これでまた一つ、彼について分かったことがある。
 彼は、一つのことにのめり込むと周りなど見えない性格であるということだ。


 ……やっぱり、わかっていない。

 霖之助さんが怒ってしまった時、私は浮かべている表情とは真逆に、酷く動揺していたことを。
 彼が笑って私を許してくれた時。涙が出そうなくらい安心したことを。

 そんなこと、彼は知る由もないのだろう。


 自信満々に釣り竿を振るい、魚がすぐに釣れてくれた時。
 私がどれだけ安堵したか。

 拍手をただ送るだけであった彼には、理解できるはずも無かっただろう。


「この魚って、食べられるんですかね?」

「その魚はきっと、オイカワだ。大丈夫、食べられるよ。でも、二人で食うには二匹じゃ足りないかな」

「!……そうですね。もっと釣らなきゃ。頑張って霖之助さん」

「君も折角だから釣ればいいだろうに」

「師匠は弟子を見守る物です」

「弟子、か。仮にも一つの店の主が、落ちたものだ。別に構わないが」

 やはり竿からは目を逸らさず、霖之助さんは少し納得がいかない様子で答えた。


 ああ。もう。

 絶っ対にわかっていない。

 今、あなたが「二人で食うには」と言った時、どれほど。どれほど私が嬉しかったか。
 飛び跳ねたい衝動を、どれほど必死に抑えたか。

 わかっていない。何もかも。全然わかっていない。

 でも、嬉しい。
 どうしようも無いほど。嬉しい。

 顔を膝に埋めさせ、顔の熱が引くよう必死に念じる。
 だが、次々に溢れ出す嬉しさがその邪魔をする。

 私があの魚を上手に料理したら、霖之助さんは喜んでくれるだろうか。
 二人一緒に笑いながら、一緒に食事ができるのだろうか。


「……お。引いているんじゃないかな。美鈴」

 顔を膝へ埋めている時に、そんな霖之助さんの言葉が聞こえてきて、私は慌てて顔を上げる。
 彼の言う通り、釣竿の先は下へとしなり、確かに魚が食いついていることを示していた。

「落ち着いてください。少し間を置いて……今!上げて!」

 私が出した合図と共に、霖之助さんが立ち上がりながら腕を掲げる。
 すると、見事に釣り針へと食い付いた魚が、水面から姿を現した。

「やりましたね霖之助さん!」

「ああ。君のおかげだよ」

 眼の前に魚を掲げ、満足そうに微笑む霖之助さん。

 ああ。

 普段の仏頂面もいいけど。

 こういう顔は、尚一層、いい。

「さ。まだまだ釣るぞ。どうやらツキが回ってきたようだ」

「ツキじゃなくて、私の指導の賜物ですけどねー」

 そんな他愛の無い会話も、今は猛烈に愛おしい。


 ……あー、もう。

 この人と一緒にいると、本当に落ち着けない。


 ……ま。この人はわかってないんだろうけど。





 もう間も無く訪れるであろう、幸福の時間を心待ちにしながら。

 紅美鈴は、今現在の幸福を堪能するのであった。













 あとがき

 いかがだったでしょうか。
 最初はもう少し、ただの友人、といった雰囲気で締めようかな?とも思ったのですが、やはり性というかなんというか、こういう締め方になりました。

 東方は本当ににわかなのですが、美鈴の物腰柔らかな話し方が大好きです。凄く魅力的だと思います。
 俺の書く霖之助は、どうしても原作よりいい人になってしまう気がして、そのへんが少しうーん。という感じです。もう少し商売人として公私を分ける人物に書きたい。


 まあそんな感じで。では~
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