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銀の働き部屋

管理人銀河の、日記兼テキストサイトです。取り扱うジャンルは主にヤングガンガン連載のWORKING!!になると思います。最近は東方の霖之助小説を書くのにも夢中。どうかよろしくお願いします。リンクはフリーです。感想は常に受付中です!もらえたら泣いて喜びます

お父さんとお兄さん 山田×相馬&音尾

 さて、今日は珍しく平日に小説更新です。
 いや、そういえば・・・4巻巻頭のイラストで、山田と相馬と音尾さんのイラストを見て悶えていたのに、それを感想で書くのを忘れてたなと。そんで、なんか書けるかなーと思ったら想像以上にすらすらと書けました。3時間でできた安物です。
 量はそんなに多くないです。山田は可愛いなあ・・・と書きながら見ていた4巻を見て思いました。本命は伊波だよ!?

 というわけで、山田×相馬&音尾で、『お父さんとお兄さん』です。甘さは無いかな・・・甘えてはいるけど(うまくねえ













 山田葵は、とてもご機嫌だった。
 普段からなかなかポジティブで明るい少女ではあるものの、今日は何時も以上に笑顔が絶えず、鼻歌交じりに仕事をしていた。
 そんな様子は辺りを和ませるものであり、可憐だった。その笑顔は客はもちろんレストランのスタッフにまで伝染してしまう。
 その手際は・・・普段と変わらず決していいとは言えないものだったが、大きなミスは今の所無く、積極的であることはいいことだ。

 と、相馬博臣はキッチンから観察していた。
 今日はさほど忙しいわけではなく、やることは大して溜まってもいない皿洗いくらいなものだった。
 隣にいる佐藤も同じようで、ぼーっとフロアの様子を眺めている。轟さんの様子でも見ているのかもしれない。相馬はそう思った。

「今日は山田さん、やたら嬉しそうだね」

「ああ? ・・・そうかもなあ。やっぱり、おっさんが帰ってきているからだろうな」

 佐藤が言うおっさん。それはもちろん、この店で本来一番立場が強いはずであるはずであるが、普段から不在がちでその権力もすっかりと薄れ始めているマネージャー・・・音尾兵吾である。
 知っての通り、山田葵はその音尾のことを非常に気に入っており、非常に珍しい時期・・・つまり音尾がこのレストランにいる間は、山田は音尾に甘えっぱなしなのである。

「そうだろうね。で、肝心の音尾さんは?」

「仕事片付けてる。今回もかなり溜まってたらしいけど、大丈夫なのか?」

「うーん。まず大丈夫じゃないかな。今まで駄目だったことがないのが、その証拠じゃない?」

 相馬がそう答えると、「それもそーだ」と佐藤は自分の仕事に戻った。
 相馬も仕事に戻ろうとすると、振り返った場所の目の前に山田がいて、思わず後ずさった。

「ど、どうしたの山田さん」

「山田休憩です!!」

 そう元気に答えた山田の顔は光り輝いていて、今の時点で興奮し始めているのか、頬もほんのりと赤く染まっている。しきりと体を揺らしていて、気持ちのやり場も分からないようだ。
 相馬はそんな表情に思わず微笑みを浮かべてから、

「音尾さんなら事務室で仕事中だよ」

 と答えた。
 山田さんの表情・・・そして、これから休憩だということは、自分に音尾さんの場所を聞きたいんだろう、と相馬は予想していた。
 その予想は見事に的中し、山田はすぐに事務室に向かおうとするが、

「山田さん、音尾さんは仕事で忙しいみたいだから、もう少し経ってから会いに行ったら?」

 と、相馬なりに音尾のことを考えて助言する。
 山田はピタリと立ち止まると、肩を落とし大きく溜息をついた。見える。山田の周りのがっかりエフェクトが。青い背景と縦の黒線が。

「そんな・・・山田超頑張ったのに!!」

「そうだね。でも、音尾さんも今頑張っているよ。二人共頑張ってから会えばきっと何倍も嬉しいはずだよ」

 と、適当なことを言うと、山田はたちまち顔を明るくして、

「山田待ちます!!」

 と、やはり元気に答えた。
 相馬はまた軽く微笑むと、仕事に戻ろうとした。

 しかし、後ろからの視線がやたらと気になり、振り返る。

 山田が目の輝きを以前と保ちながら、そこに立っていた。

「えっと、どうしたの山田さん?」

「山田、暇なので音尾さんの仕事が終わるまでここにいます」

「・・・えっと、何で?」

「相馬さんの傍にいると安心します!」

 と、突拍子も無い一言を放つ。
 相馬も思わず、「へっ!?」と奇声を漏らすと、わずかに・・・ほんのわずかに、佐藤の笑い声が聞こえた気がした。
 悔しくて佐藤を見る。笑われたことに対してではない。笑った瞬間を見逃したことが悔しかったのだ。

「と、とりあえず山田さん。落ち着いて。どうしたの」

 相馬が苦笑いでそう返すと、山田は意地でもその笑みを失くさずに、

「山田、音尾さんはお父さんみたいで大好きです! でも、相馬さんもお兄さんみたいで大好きです!」

 と答えた。
 流石に相馬も恥ずかしさがこみ上げてきて、言葉に詰まる。

 本当に、初めて弱みを握られたあの日から思っていたことなのだが、この子はどうして自分をここまで困らせることができるのだろうか。
 しかも、そんな元気な顔を見て、少し「可愛い」と思ってしまった自分もまた恥ずかしかった。自分にそういう趣味は無いはずだ。

 相馬が頭の中でぐるぐると思考をめぐらせていると、山田が急に下から覗き込んできてまた後ずさる。

「大丈夫ですか?」

「う、うん。大丈夫大丈夫。・・・そうだ! 山田さん、俺が奢るから音尾さんにコーヒーでも持っていけば? きっと喜ぶよ」

 そう言うと、山田は目の前にエサを差し出された猫のように体を跳ねさせて、こくこくと何回も頷いた。

「はい! 持って行きます! 山田役に立ちます!」

 何故か挙手をしながらぴょんぴょんと跳ね続ける山田。
 相馬もまた頷いてから、コーヒーを作る。
 出来上がりはあっという間であり、コーヒーをカップに注ぎ、皿の上にそのカップを乗せた。砂糖とクリームを乗せるのも忘れない。

「はい。熱いから気をつけて運んで」

「はい!」

 忠告を聞いていたのだろうか。タタタと小走りで事務室へ向かう山田を、相馬は少し心配しながら見送った。
 しかし、事務室のドアが開く音と、はしゃぐ山田さんの声が聞こえて、とりあえずは安心した。

「上手く逃げたな」

「・・・何? 普段の仕返し?」

「別に」

 声、表情こそ無愛想であるが、どこか感情のこもった様子で佐藤が話しかけてくる。
 相馬はやや動揺しながら言葉を返す。

 本当に、困った女の子だ。

 とか考えていると事務室のドアが開かれる音がして、もう戻ってきたのか? と相馬が視線を向けると、

 山田が音尾と一緒に・・・ちなみに、山田が音尾の腕にからまりながら来た。

「音尾さん、仕事は?」

「いや、丁度終わってね。コーヒーも飲んだしお礼をと」

「そんな、構いませんよ。仕事が終わったら終わったで大変でしょうし」

「う・・・まあね」

 音尾はチラリと腕にからみついている山田を見る。
 山田はじっと音尾の腕にすりついている。まるで哺乳類の赤ん坊のようだ。

「山田さん、もう少し離れて・・・」

「嫌です! 久々に会えたんですから、絶対に嫌です!」

 と、甘えた口調で答える山田に対して音尾はもう苦笑いしかできなかった。
 その様子を見て思わず相馬も微笑むと、山田が顔を上げて、

「今日は本当にいい日です!! だって!」

 と、いきなり相馬の腕を掴み、自分の方へぐっと引き寄せた。
 相馬は突然の事だったので逆らうことができず、そのまま山田が腕にからみついた。
 音尾と相馬で山田を挟み込む形。山田は真ん中で顔を上げ、微笑んだ。

「お父さんとお兄さんと一緒です!」

 相馬と音尾が、思わず目を丸くする。
 しばらく沈黙の時間が流れたが、二人の表情を笑顔で確認する山田を見て、笑いがこぼれた。

「お父さんって・・・」

「・・・またお兄さん?」

 音尾と相馬は思わず向き合い、苦笑いをかわした。
 そして、山田から相馬が離れようとした瞬間、

 パシャッ、という短い機械音が相馬の耳に響いた。

「・・・轟さん?」

「あ、ごめんなさい。レストランパンフレットに載せる写真用のカメラなんだけど・・・微笑ましい光景だったからつい」

 と、いつの間にかキッチンに戻ってきていた轟八千代が、普段と憎たらしいほど全く変わらない笑みを浮かべてそこにいた。・・・手にはカメラを持って。
 隣には佐藤が立っていて、佐藤もこちらをじっと見ている。

 相馬の顔が赤く染まる。

「ちょ、消して消して!」

「なあ、八千代。あとで焼き増し頼むわ」

「分かったわ♪」

「わああ!!!」

 相馬がカメラを取ろうとしたが、山田が腕にくっつく力は強かった。
 離れようとしてもすぐにグッと引き寄せられる。

「八千代さーん! もう一枚お願いします!」

 太陽のような笑みで山田が言う。

「ちょ!? 山田さん!」

「はは・・・今日は賑やかだねえ」

「音尾さんもそんなに落ち着いてないで!」

 佐藤以外のみんなの笑い声がキッチンに響く。
 最初は抵抗していた相馬も、何だか面白くなってきてしまって一緒に笑った。

 山田は変わらず二人の腕にからみついたまま。



 本当に

 困った女の子だ











 あとがき

 俺なりに考えた、4巻の巻頭イラストに到るまで、です。こういうシチュエーションだと山田が可愛いかなと思って書いてみました。
 構成は意外とすぐに浮かんできました。文章力は大してよくないですね・・・。たまにあるんですよ、アイディアも一瞬で出てきて文章も自分で見れるくらいのが。たまに。一生に10回くらい(ぇ
 相馬さんと山田の絡みは大好きなのですが・・・妃さんがなあ。それを考えると素直にこのカップリングを応援できないんですよねえ。
 相馬さんって・・・学生なのかな。結局種島が聞いた時も分からずじまいだったしなあ。
 そういえば、この小説の最後の言葉は、お姫様とどっちにするか悩んだんですが、相馬がお姫様と言うのはやりすぎかなと思いましたので女の子で統一です。
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