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銀の働き部屋

管理人銀河の、日記兼テキストサイトです。取り扱うジャンルは主にヤングガンガン連載のWORKING!!になると思います。最近は東方の霖之助小説を書くのにも夢中。どうかよろしくお願いします。リンクはフリーです。感想は常に受付中です!もらえたら泣いて喜びます

僕らはいつもイシンデンシン 佐藤×八千代

 小説が書きあがりましたので載せたいと思います。
 佐藤×八千代で、『僕らはいつもイシンデンシン』です。甘さ微糖です。どうぞ。












「ねえねえ佐藤君」

「・・・何だよ」

 客入りのピークも過ぎ、何時も通りすっかりと暇になったワグナリアのキッチンで、相馬は佐藤に不適に話しかけた。
 佐藤もロクなことにならないと察したのか、返事に気力がまるで入っていない。
 しかし、そんな佐藤に構いもせずに相馬は話し始める。

「轟さんとメールでよく話してるんでしょ? 何か発展は無いの?」

「・・・ねえよ」

「えー。つまんない!」

「お前な・・・」

 お玉片手ににらみつけると、相馬はそそくさと別の仕事に向かっていった。
 佐藤は溜息を一つついてから・・・フロアを覗き込んでみた。

 まず目に入ったのは、もくもくとパフェ(恐らくは八千代製)を食べ、仕事をする気配なぞ全く無い店長。
 そんなものに興味は無いと、佐藤は視線を移した。しかし、改めてこの店の店長の存在意義を疑いたくなる。

 視線を移したその先で、彼女はテーブルを拭いていた。
 腰に刀をぶら下げて、いつ、いかなる時も笑顔を忘れないフロアチーフがそこにいた。
 もちろん、小鳥遊や種島もフロア内で各々の仕事を果たしているが・・・佐藤は八千代の姿を確認してすぐにキッチンへと戻っていった。

 キッチンに戻って、また深い溜息を一つ。
 そして、なにも面白くない天井を見て・・・ボソッと一言。

「俺は何を期待していたんだろうなあ」

「何が?」

 すぐ隣から突然聞こえた声に、佐藤は思わず肩を震わせた。
 バッと横を見ると、そこには首を傾げながら佐藤を見上げる八千代の姿があった。
 佐藤は表面上は冷静であるが、実際は心臓がドクドクと激しく脈打っていた。

「いつ・・・そこに」

「? たった今だけど・・・佐藤君、何に期待してたの?」

 心底不思議そうに、そして純粋に話しかけてくる八千代を見て、佐藤はその場で死にたい気分だった。
 なんと迂闊だったのだろう。そしてよりにもよってこいつかよ。と。

「いや、何でもない。大丈夫」

「何か悩みでもあるなら、相談して?」

「いや、だからいいって」

「・・・そうよね、私なんかじゃ頼りにならないわよね」

 目を潤ませながらそう言う八千代を見て、佐藤は頭を抱えた。
 ・・・・可愛い。
 じゃない。本音が出た。
 この顔をされるとどうしようもない。佐藤は本日何回めか分からない溜息をついて、

「お前さ、俺によくメールくれるだろ?」

「? ええ」

「・・・もっと、店長から離れた内容でもいいんじゃないか?」

 ぶっちゃけた。
 佐藤はやはり表面上は(以下略)だが少しでも油断すれば嫌な汗が大量噴出すること間違いなしの状況だ。

「えっと・・・どういうこと?」

 予想通りの反応だな、と佐藤は安堵した。
 いや、決して望ましい返答ではなかったものの八千代をそこまで不快にさせたようではなかった、それに安心したのだ。
 どれほど俺は情緒不安定なのか・・・。と考えると、佐藤はまた溜息の一つでもつきたくなった。

「いや、何でもない。気にするな」

 佐藤自身も完璧と思うほどの無表情でそう答え、仕事に戻る。

 八千代もこのまま仕事に戻ってくれると信じて。
 だが、

「ごめんなさい佐藤君・・・」

「いや、頼むから謝るな」

 声が聞こえた瞬間振り返りそう答える佐藤。
 もはや頭痛までしてきた。自分に対してのストレスで胃の調子も悪い気がする。

「私、同世代の友達が今までいなかったからどういうこと言えばいいのか分からなくて」

「分かってる。俺が悪かった。俺が完全に血迷っただけだ。気にするな」

 表面(以下略)だが、これほど焦ったことも初めてである。
 この焦りは、相馬にこの状況を見られた時を考えてのことだろうか。それとも、単純に八千代を困らせたくないという焦りだろうか。
 どちらにせよ、この状況を収めるに越したことはない。佐藤は言葉を必死に考える。

「いいの。私が悪いんだから。頑張る!!」

「いや、頑張らなくていいからな。無理すんなお願いします

 あり得ないほどの低姿勢言葉で答えるが、八千代が素直に聞く気配は無い。
 胃が搾り取られるようだ。相馬に帰って来るなテレパシー(発信源・発案佐藤)を送り続けているが望みは薄い。
 なんだか、八千代の顔にはやる気が満ちてきたためとりあえずは安心できた。

「任せて佐藤君! 八千代はやります!」

「・・・・・・」

 駄目だ。店長くらいしか止められる人はいないだろう。
 今佐藤が何を言おうと、八千代は止まらず・・・下手をすればまた別の方向に話が転がっていってしまう。

「なあ、八千代。頑張るのはいいけど・・・頼みがある」

「何?」

 佐藤はしっかりと八千代の目を見据えながらハッキリと言い放った。

「相馬に相談するのだけはやめろよ」

 それだけ伝えれば、佐藤は十分だった。




「疲れた・・・」

 ワグナリアから車で帰ってきて、自分の部屋に辿り着いた時、時計はもう午後9時を回っていた。
 色々と考えながら運転してきたせいで、車の足取りが落ち着かなかったのが原因かもしれない。
 とりあえず、いつもより遅い帰宅だった。

「・・・」

 帰ってきて早々、携帯電話をポケットから取り出す。メール着信を確認したが、誰からもメールは届いていない。
 はあ、とまた溜息。携帯を床に少し乱暴に置いて、部屋に寝そべった。

「・・・だから俺は期待するなよ」

 頭を掻きながらそう呟いた。
 しかし、何故俺はあんなことを口走ってしまったのだろう・・・と改めて不思議に思えてきた。

 携帯を八千代と一緒に買いに行き・・・メール交換をしたいと八千代が言った時、考えた。
 どうせメールでも店長の話しかしないのだから、この頼みを断ったほうがいいのではないか、と。
 ワグナリアでも店長の話を聞かされ、最高の幸せと最高の不快感を同時に味わっている。その時間をまた増やす必要など無いはず。
 でも、佐藤は断らなかった。
 確かに店長の話しかしないのかもしれない。何も進展なんか無いかもしれない。

 それでも、
 二人だけの時間が築けるんじゃないかと・・・期待していた。

 今更ながら説明すると、そういうわけだ。

「俺の勝手な妄想だったわけだな・・・」

 実際、その後に送られてきたメールは全て店長に関することで、単純に慣れてないせいだろうが文章も短いものだ。
 少なくとも、佐藤が望んでいたようなメールでの会話は成り立ちそうになかった。
 そんなストレスが日々募ってしまった結果が・・・あの血迷った発言だ。

「・・・俺の馬鹿野郎・・・!!」

 その言葉に尽きる。本当に大馬鹿野郎だ。
 薬を飲んで落ち着いてきた胃がまた痛んできた気がして、薬を取る。


 鳴り響く電子音。


 ゆっくりと視界を移す。そこには、着信ランプを点滅させながら振動している携帯電話があった。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・

 何秒か経って携帯は電子音と振動を止め、ただ着信ランプが点滅するだけとなった。
 着信音からして、メール着信音だということがわかる。

 佐藤は何も言わずに携帯を手に取り、画面を開いた。
 そこには、『Eメール着信 1件』の文字。

 しばらく佐藤は沈黙していたが、そのままでいるわけにも行かず・・・ゆっくりとした動作でメール内容を確認する。

「・・・っ!?」

 内容を見て、顔を押さえる。
 深く考えまいと思っても余計な感情がどんどん湧いて来て、顔が熱くなるのを感じた。酒を何杯も飲んだ時よりもずっとタチが悪い熱さだ。
 嬉しいのか恥ずかしいのかはよく分からない。とにかく何だかスッキリとせず、じっとしていられない。

 佐藤は姿勢を整えて、携帯のアドレス帳から八千代のアドレスを探し出す。
 そこには、メールアドレスだけではなく、電話番号も登録されている。

 今まで、自分から電話をかけようとは何回も思った。しかし、勇気を出せずにせいぜいメールでの会話ぐらいしかできなかった。
 しかし、今の佐藤はとにかく落ち着いていなかった。
 こうしてすぐに行動を起こせたのも、体中を支配する熱のせいだろう。

 電話番号にキーを合わせ決定ボタンを押し、携帯を耳に当てる。

 しばらく呼び出し音が鳴ったが、すぐに電話主の声が聞こえてきた。

『もしもし。佐藤君? どうしたの?』

 間違いない、八千代の声。街中の喧騒などは聞こえないため、店長の家にいるか自分の家にいるかなのだろう。
 佐藤はそう聞かれると一瞬言葉に困ったが、電話をかけたのは自分なので話をしないわけにもいかず、

「・・・さっきのメール」

 そう言葉を捻り出した。自分で言って顔が真赤に染まるのが分かった。電話で本当に良かった。

『あ、見てくれた? えっと・・・もう夜も遅いから、とりあえず・・・と思ったんだけど、駄目だった?』

「いや、そうじゃなくて・・・その・・・」

 佐藤は言葉に詰まる。
 殆ど時間をかけずに電話をかけたため、何を言おうかどうかの整理もしていなかった。
 考えて、考えて・・・

「こういう時間帯にあの内容は・・・その、もっと親しい関係の奴同士が・・・」

『え? 親しいって・・・』

「いや、その・・・何ていうか」

『友達より親しい? えーと・・・』

「いや、考えるな。俺が悪かった」

 結局、何時も通りだ。折れるのは佐藤。何も言えないのは何時も佐藤だ。
 そして、何気ない言葉一つ一つで佐藤を苦しめるのは八千代。

『・・・あのメール、駄目だったかしら?』

「・・・いや。いいんじゃ・・・ないか?」

 ハッキリと肯定せず、ゆっくりと押し流すように言葉を話す。
 肯定してしまったらなんだか自分が馬鹿みたいに思えたから。

『本当!? じゃあ、朝とかもいいかしら?』

「・・・いいって、何を」

『あんな感じでメールを送っても』

 その言葉を聞いて佐藤はガクッと片方の肩を落とす。
 しかし、言葉に動揺は出さず・・・ゆっくり、

「・・・ああ。いいぞ」

『ありがとう! あ、佐藤君。さっき店を出る時にね?』

 ここからは、ワグナリアと同じだった。
 八千代が店長のノロケ話を始め、それを佐藤がただただ頷きながら聞く。
 こんなことは店だけで十分、腹一杯だったのだが・・・

 夜中に八千代の声を聞けるのが嬉しいのか、
 先ほどのメールで柄にもなくテンションが上がってしまったのか・・・

 そんなに不快感持たずに、
 佐藤は八千代の声を何時間も聞き続けた。
 電話代が佐藤持ちだが、そんな事も気にせず。気にならず。

 これからの朝と夜を想像しながら。




From轟八千代
SubRe:気に入らなかったらごめんなさい

今日もバイトお疲れ様v
明日もシフト入っていたわよね? 明日もがんばりましょうねv
じゃあ、おやすみなさい。佐藤君v










 あとがき

 書いてて思ったんですが、どんな妄想だろうなー俺(ぇぇ
 今更ですがね。俺はこんなのしたいのかなあと悲しくなってきます。俺はこんな恋愛ができると思ったことなんかただの一度たりともありませんぜ!?(ぇ
 やはり携帯配信の携帯電話エピソードは大好きです。コミック派の方々ネタ分からないでしょうがすいません。
 この二人にはこんな中途半端な関係からもう佐藤君が押し倒せばいいと思っています(ぇ
 既成事実とか作っちゃえばいいんじゃn(略



 拍手返信ですー。

>『ワーキングのカレンダー俺も頼みましたよ!!早くコンビニにとりに行かなくちゃ・・・!俺もトイレには置きませんね。やっぱ自分の部屋におきます。俺のほうも家族になんかされそうだしww ギャグマンガひぐらし見ましたー^^思いっきり笑い転げましたよ!職人さんすごいですね、ほんとに!!今半泣きですよwww即マイページに保存しました♪ 俺も忙しくなくても更新しないときありますね。しょっちゅうですけど(爆 新しい小説は読みたいですが、無理せずゆっくり書いてください。』

 もうみんな優しい人ばかりや(ぇ
 カレンダー可愛いですよおおおおおおおおお!!(ぁ  表紙と8月辺りで悶えてました。
 ギャグマンガひぐらしは凄いですね。傑作です。確かベランダの話のもあった気がしますよ。
 ねえ。忙しくないのにねえ(待 小説はなんとか書き上げましたよ。見てくださると光栄です。

 拍手ありがとうございました!
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