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銀の働き部屋

管理人銀河の、日記兼テキストサイトです。取り扱うジャンルは主にヤングガンガン連載のWORKING!!になると思います。最近は東方の霖之助小説を書くのにも夢中。どうかよろしくお願いします。リンクはフリーです。感想は常に受付中です!もらえたら泣いて喜びます

暑い日の出来事 東田×宮越


 うろんなページ版WORKING!!より、東田×宮越を。
 俺がWORKING!!を知ったのは、そもそもは本家の方が先なので、やはり好きな組み合わせです。
 季節が少しずれてしまいましたが、タイトルは『暑い日の出来事』です。


















馬鹿な子ほど可愛い。よく言う言葉だと思う。
しかし、その馬鹿というのはどういう馬鹿だ?
行動が馬鹿なのか。それとも、頭が・・・成績上馬鹿なのか?

前者は、10歳までは許される。ただしそれ以上は少しキツイ、というか痛い。
後者の場合はもう全体的にダメだと思う。
何故なら、小さい頃からそうなら、がり勉にさせる必要はなくても最低限の勉強はさせる必要があると思うからだ。
小さい時に可愛い可愛いと言って勉強もさせない、させても子どもが理解しない。
そんな親の理屈は通じるか。馬鹿は馬鹿だ。それなのになんともないように生きるのが本当の馬鹿だ。


俺は、そういう馬鹿を1人知っている。




「・・・暑い」

自分の部屋の窓から差しこむ大量の熱戦と紫外線。
俺はそれを、下敷きを顔に乗せてガードしている。しかし下敷きが熱くなってきてあまり意味が無いのだが、どけるのもおっくうでそのままにしている。
部屋の隅に置かれた扇風機が、先ほどから生ぬるい風を生産し続けている。

北海道でも暑いものは暑い。内地の人間は夏場は北海道が快適涼しいとでも思っているのだろうか。
だったら言おう。暑い。
しかし、声を出す気力も今はあまり搾り出したくない状態だ。

「暇な高校生ってのも嫌だな・・・この暑い中部屋で暑さを噛み締めるだけだもんな」

そのまま、今日は本当に暇だ。
親しい友人はもちろんいるが、家がそこまで近いわけでもなく、この暑さの中家に行く、または来てもらうのも疲れる&申し訳ない。
多分、向こうも同じ心境だろう。薄情とは思わない。暑いから。

・・・図書館でも行くかな。
別に暑くて宿題がはかどっていない・・・というわけではない。
もちろん、宿題、勉強のはかどり具合は暑さで変わるが、やらないわけではないので問題ない。
というか、宿題はもうほとんど終わらせている。
なので、尚更やることがない。普通の勉強ならやってもいいが、この暑い部屋ではやりたいとはとても思えない。

ならば、涼しい楽園のような(まあ楽園とはいえ気温だけだが)図書館で勉強をした方が有意義といえるのではないか?
そのままゴロゴロしているのも人にとっては有意義なのだろうが、俺はそう思う人間ではない。暇は作りたくない。暇ならば何かを無理矢理にでもしよう。
じゃないと、時間がもったいないからな。

「・・・じゃ、準備するかな」

図書館に行く事を決め、椅子から大儀そうに立ち上がる・・・が

「大輔~。華ちゃんよ~」

・・・そうですか。楽園は今日はお預けですか。





「よう」

「どうも。暑くないですか」

「お前は」

「暑いです」

「じゃあ私も暑い」

「考えるのが面倒だったんですか」

そのような、いつも通りの会話をしながら、俺は勉強用の机を取り出していた。
宮越さんはその間コンビニと遊んでいる。全く、暑いのにコンビニも大変だ。
しかし微妙に納得がいかないのは、この夏の間、俺が呼びかけても無反応でずっと通してきたコンビニが、宮越さんには積極的になついているということだ。
まあ、別にいいけどね。近寄られても暑いし。負け犬の遠吠えではない。吠えてないし。

「お前の部屋暑いなー。窓開けろよ」

「微妙にうるさいんですよね騒音とか・・・ま、いいか」

そう言いながら窓を開ける。
すると、涼しいというかなんというか、心地よい風が体を包み込んだ感じがした。
同時に、車の音や雑音が耳に入るが、涼しい方が精神的にもいいと思えた。

「ほーら涼しい」

「ですね。・・・宮越さんは元から涼しそうですね」

宮越さんは、この夏毎度のことだが薄着だった。
いや、夏なんだし暑いしで問題は無いけれど・・・男の部屋に薄着で来ることに抵抗はないのだろうか。

「何言ってるんだ。暑いよ。ずっと歩いてきたんだぞ」

「そうですかそうですか」

「何だよその反応―・・・!」

タオルを顔めがげて投げると顔はタオルで隠れたが、体を少し震わせたのが分かった。
汗をかいていたのは見て分かった。
宮越さんはそのままタオルで自分の汗を拭いた。

「暑いならわざわざ来なければいいじゃないですか」

「だって・・・宿題はあるし。第一暇なんだよー」

「はいはい。じゃ、勉強でもしますか」

子どものような顔の宮越さんはあまり気にせずに、勉強を始めようとする。
俺は別に勉強をする必要は無いのだが、宮越さんにだけ勉強させるのも正直どうかと思う。
それに、窓を開けたせいか大分涼しくなってきた。

それにしても、暇だとこの人は俺の家に来るのか?

「じゃあ早速。ここ教えてくれ」

「・・・前にも教えませんでした?」

「そうだっけ?」

「本当に馬鹿ですね」

馬鹿って言うな! という言葉は耳にも入れず、俺は参考書から分かりやすい問題の例を探す。
というか、問題集の左側にも例は載っているのだが、それは少し面倒くさい例だったので、前から俺は自分で問題例を選んでいる。
その方が彼女のためだ。

「はい。これ見て分かります?」

「・・・」

「はい、分かりました。これはですね・・・」

もう教え方も大分上手くなったなあ、と自分でも思う。
それで彼女がしっかり覚えているのかどうかは分からない。しかし、今がダメだからといってそのままでいさせるわけにもいかない。

・・・いつの間に義務みたいな感じになったんだろう。

「・・・な、何となく」

「はい。よくできました。間違っててもいいからやってみてください」

「う・・うん」


さて、ここで最初に思ってたことを思い出してみよう。

馬鹿な子ほど可愛い。彼女の場合はどうだろうか?


まず行動から。迷うことは無い。馬鹿だ。
まあ、ファミレスでの接客はもう文句無しだが、それ以外はもう馬鹿100%。もうクラスの男子の何人かがエロイと笑っていた漫画のような感じだ。

まあその中で群を抜くのは、ご存知の通り料理の腕だろう。
あれは馬鹿を通り越している。異常だ。天才だ。化け物だ。過言ではない。


これ以上話すと悲しくなってくるので、成績上の馬鹿かどうかに行こう。

成績は馬鹿ですか? 馬鹿です!!
自分にしては珍しく感嘆詞を用いてしまいました。それほどに馬鹿だ。ほとばしるほどに馬鹿だ。
何でここまで馬鹿なんだ。というか、進学校ではないとしてもどうやった高校に入学できたんだ。
もうこれは色々裏があったとしか思えないくらい馬鹿なのだけれど、考えないでいよう。
実際、彼女は高校生としてバイトもしているし学校にも行っている。


さて本題。『馬鹿な子ほど可愛いのか?』

・・・そこまでハッキリと思えるほど、俺は素直ではない。

「な、なあ。ここはどうなるんだっけ?」

「公式の3番です」

「・・・はい」

少なくとも、俺に少しおびえたように解き方を聞き、真面目に机に向いている彼女は、可愛いと思えた。
それは精神的なものなのか、見た目の話なのか。
・・・どちらにしろ、俺は結構毒されてしまっているのかもしれない。

「・・・ジュースでも持ってきますね。帰ってくるまでには解けてるといいですね」

「・・・」

顔がほんの少し赤くなっているのを見られる前に、俺は立ち上がった。
何も言わなかった彼女が少し可笑しくて微笑んだ。

もちろん、そんな顔は見せないが



最初は、馬鹿な子ほど可愛いなんて言葉どうかと思っていた。というか今でも思う。

でも、彼女と話してたり、一緒にいたりすると・・・本当にそう思えてきてしまう。
もちろん、16歳とはいえ若いんだから、俺がしっかり勉強は教える。学校では聞きそうにもなさそうだからなあ。
気づけば保護者のようだ。構うもんか。あの親が勉強を教えるとは思えない。
というか、本当に教えろよ。じゃないとあの悪魔の料理でアンタを継ぐとか言い出すぞ。あ、もう言ってる。
ところであの馬鹿さは父親から引き継いだのか母親から引き継いだのか。
・・・多分母親だろう。あの人が昔成績悪かったかどうかは分からないけど、そう断言はできた。

飲み物の乗ったおぼんを持ちながら階段を昇り終え、自分の部屋の扉を開けた。


「東田~。分からん~」

そう少しだけ涙ぐみながら、上目遣いで俺を見ている彼女を見て、不覚にも、また思ってしまった。


馬鹿な子ほど可愛いかもしれない。

どんな所かというと、


暑い中わざわざ薄着で俺の家に来てくれるところとか
口は悪いけどちゃんと言うこと聞くところとか
馬鹿なりに考えて、最終的に涙ぐみながら俺に助けを求めるところとか



彼女以外には思わないだろうけどね


気づけば

結構充実した1日になっていた。


扇風機の風は、大分涼しいものへと変わっていた






 あとがき

 結構昔に書いたものだったりするので、書き方が最近の物と微妙に違ったりします。
 東田は口は悪いけどもの凄いいい人だと思います。あんな料理食えるか。おばあちゃんの田舎料理で限界なのに。
 宮越は頭の悪い所が最高に可愛いと思います。料理下手は・・・まあ、とりあえず『××料理人』の称号だけで。
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