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銀の働き部屋

管理人銀河の、日記兼テキストサイトです。取り扱うジャンルは主にヤングガンガン連載のWORKING!!になると思います。最近は東方の霖之助小説を書くのにも夢中。どうかよろしくお願いします。リンクはフリーです。感想は常に受付中です!もらえたら泣いて喜びます

甘い時 東田×宮越

 拍手コメントで、宮越は推薦入試でお金持ち学校を受験していて、足立の後輩であることを教えてもらいました。し、知りませんでした・・・。本当にありがとうございます! 恥ずかしさよりも純粋に驚きが大きかったです。推薦って何の推薦でしょうか・・・。 拍手コメントへの返信は、今はこのように日記部分に書いていますが、後でしっかりと返信部屋を作れたらいいなと思います。コメントなどをもらえると泣くほど喜びます。

 またまた小説を載せたいと思います。
 今日驚きの指摘を受けたにも関わらず東田×宮越で。
 タイトルは『甘い時』 タイトルに反比例して甘さゼロとなっています。
 ではどうぞ。













「よう」

「・・・何ですか。宮越さん」

 家の玄関で、オレ・・・東田大輔は苦い顔で言った。
もう日は暮れていて、外灯があちこちに灯っている。
夕日と外灯が混ぜ合わさり、風景は幻想的だ。

そんな中を歩き、オレの家に来たのは・・・バイト仲間の宮越華。
オレと同い年ながら、レストランではフロアチーフを務める尊敬すべき先輩である。

・・・まあ、尊敬するつもりなど無いが。

「いや、アライさんに会いに来た」

「ああ・・コンビニですか? じゃ、早く済ませて下さいね」

  少し冷たくそう言うと、宮越さんはムッと眉をひそめた。

「何だよ。すぐに帰ってください。て雰囲気満々なセリフ」

「あ。バレちゃいましたかー?」

適当にそう言い、オレは2階に昇った。
後ろからブツブツ声が聞こえる。宮越さんが何か文句を言っているのだろう。

 親はいたが、宮越さんがコンビニを見に来るのが日常化したため、今ではからかわれもしない。なんとありがたい話だ。

「アライさん!」

 宮越さんがオレの部屋に入るなりそう言い、アライさん・・・コンビニはこちらを向いた。
 宮越さんを見るとすぐに近づいてきて、宮越さんの足に前足を乗せる。
宮越さんはコンビニを抱き上げ、その頭を撫でてあげた。
その顔はとても楽しそうだった。

少なくとも、オレと話をする時よりは。


 分かっているだろうが、コンビニ、アライさんとは、肝試しの時に宮越さんが拾ったアライグマだ。
  宮越さんが拾ったのに、何故かオレが飼うハメになり、役場へ行って手続きまでするようだった。
オレはコンビニと呼び、宮越さんはアライさんと呼んでいる。
 しかし、このコンビニ、全然オレになつかない。
宮越さんにはすぐ飛び付くくせに。
  何となく、腹が立った。

「元気だったか? 東田にいじめられなかなかったか?」

「はっ。どちらかというとオレの方がいじめられてますよ」

そうにがにがしく言うと、コンビニがこちらを向いて不機嫌そうに口を開けた。
それを見て更に腹が立ち、オレは勉強をすることにした。
学校に持っていっているカバンから教科書と筆記具を取り出す。
自分の机に座り勉強を始める。

 すると、宮越さんがコンビニを抱き上げたままオレのノートを覗きこんできた。
そんなに珍しいことではないため、冷静に言葉をかける。

「どうしましたか?」

 そう言うと、宮越さんはコンビニを一旦床に置き、再度机を見る。
そして、少し唸って一言。

「よくこんなの解けるなあ」

「宮越さんもやらなきゃいけない範囲ですよ~?」

  悪かったな。と悪態を一つついて、宮越さんは自分のバッグから勉強道具を取り出し、オレにつきつけた。

「勉強、また教えてくれ」

  そう真顔で言う宮越さんを見て、何となく溜め息が出た。
そして、自分の現在勉強をしている、数学のノートを見た。
決して難しくはない。しかし、オレはそこまで勉強好きでもない。

  少し考えた後、オレは立ち上がり、押し入れを開けた。
そこから、小さなテーブルを取り出し、折り畳まれていた足を広げて床に置く。

  その間オレは無口だったが、宮越さんにはちゃんと伝わったのだろう。床に腰を下ろして勉強道具を置いた。

「じゃあ、今日は国語でもやりますか」

「おう」

「言葉くらい覚えてもらわないと、しりとりもできませんもんね」

 またオレは憎たらしく言葉を漏らした。
そして、少し自己嫌悪。
こんなことを言っても、宮越さんは本気で怒ったりはしないだろう。

しかし、決して彼女に喜びを与えられない言葉を、普通に言ってしまうようになってしまった。

「悪かったな!」

 予想通りのリアクションを取り、宮越さんは漢字のドリルをやり始めた。
ドリルなどはこういう場でやることではない。
しかし、彼女は漢字も読めないことが多く、普段からやらせるようにオレはしている。

そして数分後。
宮越さんが顔に脂汗を浮かべている。
俺は少し溜息をつき、聞いた。

「どこが読めないんですか?」

「うう・・・これなんだけどさ・・・」

「こんなのも読めないんですか?」

 また・・・言ってしまった。
本当に嫌になる。素直になれずに、人を馬鹿にするような口調ばかり。

「おー。こう読むのか!」

 何感心しているんですか。
俺はあなたを馬鹿にしたんですよ?

 怒ればいいじゃないですか。

 怒ってもらった方が楽だ。

 足が痛くて、あぐらをかいているその足元を見る。
するとコンビニが俺の足に爪をたてていた。

 痛い  痛い

 ご主人様を悪く言うな。とでも言いたいのか?


 俺だって、言いたくないよ


「アライさん。こっちおいで」

 宮越さんが呼ぶと、コンビニはその短い足を一生懸命動かしながら宮越さんの膝の上に乗った。

 それを見てまた腹が立つ。

 何て醜いんだろう。動物にまで嫉妬か。本当に・・・嫌になる。



 今、コンビニしか他にいないこの部屋で、彼女をいきなり抱きしめたらどうなるだろう

 押し倒したらどうなるだろう

 こんな・・・下衆な考えが浮かぶ。

 自分で弁解することになるが、思春期の男子として当然の思考。

 だが、そんな自分を殺したくなる。

 思わず心が苦しくて、自分の拳を思いっきり握り締めた。
その手から血など流れてしまえ。そう思いながら。

「東田。どうした?」

 突然そう言われ、何事もなかったかのような顔で答える。

「何でもないですよ?」

 しまった。顔に出ていたか?

 しかし、宮越さんは「そうか」とだけ言うとまたドリルへと向かった。

 心の中でホッと溜息をつくが、自分自身への憎しみは変わらない。

 嘘をつくなよ。自分のその下衆な心を隠すなよ。
でも、俺の表面の顔はそれをごまかしている。言い訳している。
どこまでも呆れる。なんて最低な男だ。

「腹減ったな・・・。そうだ、チョコあるんだけど食べるか?」

「えええ!? まさか・・・作って!?」

「ちげーよ! 買ってきた普通のチョコだよ・・・」

 終わりの方の声が小さくなったが、こればかりはしょうがない。
あなたのチョコがヤバすぎる。文句は絶対に言わせない。

 彼女は自分のバッグからチョコの入った袋を取り出した。
小さな包装紙にくるまれたチョコが何個も入っているタイプだ。
宮越さんは封を開け、チョコを取り出そうとしたが、俺は手を振った。

「俺はいいです。勉強道具が汚れるといけないんで、勉強中に物は食べないようにしているんです」

 そう言うと、宮越さんは子どものように「え~」と残念そうに言う。
いや、残念そうに聞こえたのは俺の妄想かもしれないな。

 すると、宮越さんは何か閃いたかのように顔を少し輝かせ、チョコの包装紙をむいた。
そして、その綺麗な明るい茶色のチョコを、俺の目の前まで手で運んできた。

 何だろう、と何も言わないでいると、

「これなら汚れないだろ!」

 ニッコリ・・・笑顔で言われた。
俺は、しばらく何も言えなかった。というよりは、よく状況が理解できない。

 少し考えて、彼女が好意でやってくれているのは分かり、そのチョコに口を近づける。
口を小さく開けると、彼女はその口にチョコを入れた。

 俺の口と彼女の手が接近したことに鼓動が早まる。

 しかしその鼓動の高鳴りは、直後に口に広がる、香りと甘みが和らげてくれた。

「・・・甘い」

 そう呟くと、宮越さんは嬉しそうにまた笑った。

 そして、宮越さん自身もチョコを1つ食べ、幸せそうに笑っていた。


 あれ?

 さっきの宮越さんの笑顔は・・・俺が作ったのか?

 俺が、宮越さんを・・・笑わせたのか?

 チラリと宮越さんを見ると、幸せそうにチョコをまだ食べていた。
コンビニにあげようとしているが、コンビニは嫌な様子だ。

「・・・宮越さんも、これくらいの味を目指してくださいよ」

 何だか考えていると訳が分からなくなって、そう言った。
宮越さんはう~、と唸り、反論した。

「私だって頑張っているんだぞ!?」

「本当ですかあ?」

 からかうように聞くと、宮越さんは俺の肩を強く叩いた。
何だかその様子が可愛く見えて、俺は少し微笑んだ。

「そんなこと言うなら、食わなきゃいいじゃねえかよ!」

 スネたようで、顔を逸らされた。
俺は心の中で苦笑した。


『貴方以外の人からは貰いたくない』


 そんなことを言えるわけもなく、

「他の人が被害にあっちゃうじゃないですか」

 そう答える。
宮越さんは顔を赤くしながら、俺の肩を何回も叩いた。

「絶対! いつか『美味い』って言わせてやるからな!!」



『待ってますよ』



「無理じゃないですか?」

 心で本音を漏らし、口でからかう。

 すると宮越さんはまた俺を叩く。結構地味に痛い。

「そんなことより、勉強しなさい」

「・・・お前相変わらず嫌な奴だな」



 嫌な奴で結構

「あなたの学力を心配しているんですよ~?」

 それは間違いなく本当だ

「・・・分かったよ・・・」

 でも、一番の理由はそれではない


 あなたがずっと机に向かえば

 俺はあなたの横顔を眺め続けられるでしょう?

 いつ、バイトを辞めたり、あなたが辞めたりするか分からないんだ

 せめて・・・こんな時くらい

「あ、そこ間違ってますよ」

「え? マジで?」


 あなたと、2人きりで話させてください

 あなたの顔を眺めさせてください

 感情表現は下手にも程があるけど

「全く・・・中学生でも分かりますよ?」

 下衆な心で、あなたを想う時の方が多いのかもしれないけれど

「うるせーなあ・・・」

 あなたと話す時の、この感情に偽りは無いと思うから

 だから、あなたも俺を見ていてくれませんか?

 同じ場所にいる時に、1度くらい

 俺と目を合わせてくれませんか?

「うるせーとは失礼な人ですね・・・」

 俺は、あなたを見ますから

 ずっと、ずっと見ていますから

「・・・まあ・・・」

 あなたの言葉も、ずっと聞いていますから

「・・・ありがとうな」



 礼を言うのは俺の方だ

 今まで生きてきて、こんなにも



 人を想ったことはありませんから



「・・・・」

 告白する勇気なんて無い

 だから、その勇気が出るまで待っていてもらえませんか?

 ロクに、あなたを笑わせることもできませんが

 一方的な、勝手な願いばかりですが



「・・・どういたしまして」





 必ず、この想いを伝えますから







 あとがき

 これも結構古い作品です。書き方も微妙に違います。あ、指摘などはもう絶賛受付中ですのでお願いしますね。
 サイト版のWORKING!!はがはこさんの仕事の忙しさもあって続きが気になります。でも、もしかしたらアニメ化へ向けての・・・!? とかそちらも気になって気になって仕方ありません。
 そういえばアマゾンでカレンダーの予約ができたのでしておきました。届くの11月・・・忘れてそうで恐いです。俺もアマゾンも(後者は無いと思いますが
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