FC2ブログ

銀の働き部屋

管理人銀河の、日記兼テキストサイトです。取り扱うジャンルは主にヤングガンガン連載のWORKING!!になると思います。最近は東方の霖之助小説を書くのにも夢中。どうかよろしくお願いします。リンクはフリーです。感想は常に受付中です!もらえたら泣いて喜びます

直保の葛藤 もやしもん小説 直保×及川

 もやしもん小説を書きましたー。
 俺はアニメ版しか見ていないので、設定の相違などがある恐れがありますが、その場合はやんわりと教えてくださるとありがたいです。

 組み合わせは、直保×及川です。原作も見てないですし、あまりべたべたしないのを意識して書きました。実際二人の絡みは少ないです。多分原作でもこの組み合わせは無いんでしょうし。ただ俺が妄想してしまったのだから仕方が無いです。うん。
 タイトルは、『直保の葛藤』です。はい。適当なタイトルが見つかりませんでした。

 では、どうぞ。















「なあ・・・沢木」

「はい?」

 と、某農業大学の醗酵倉にて、農学部1年の沢木惣右衛門直保は農学部2年であり先輩の美里薫の重々しい問いかけに返事を返した。
 同じ部屋には、もう一人・・・美里と同じく農学部2年の先輩である川浜拓馬がおり、美里の隣でやはり真剣そうな顔で直保を見ていた。

「何ですか?」

 このような雰囲気で話しかけられることなど今まで無かったため、いつも以上に気になった。
 普段なら、「飯食いに行くぞ」とか他愛も無い話であることが殆どだからだ。
 そして、美里は先ほどと同じ口調で話を始めた。

「自分・・・及川の部屋に行ったんやな?」

 その言葉を聞いた瞬間、直保は言い訳を即座に頭の中で組み立て始めていた。
 この話が始まってしまったからには、面倒なことになりそうだ。このまま逃げるのも一つの手と思い、扉に目をやるが、その直線状には川浜が殆ど直保を睨み付けながら立ち塞がっていた。

「いや、行きましたけど・・・何にも無かったですよ?」

 正直に話す。嘘は何一つ言っていない。
 しかし、美里と川浜がこんな言葉で納得するわけもなく、

「嘘つけや!! どうやったんや!? 一人暮らしの若い女の子の部屋は!?」

「いい匂いしたか!?」

「そんなこと考えてませんよ!」

 血走った目で次々と問いをしてくる2人に、直保は叫び返す。
 しかし、二人は「ああん!?」と顔をしかめる。

「んなわけあらへんやろ! 不細工の部屋に行ったんやないで!? 及川の部屋や! 何にも思わんわけないやろが!」

「いや、本当にあの時は何も・・・」

「本当に何も無かったのか!?」

 2人の顔がどんどん迫ってくる。鼻息が背の低い直保の前髪をたなびかせる。苦しいっす先輩。

 直保は、もう一度及川・・・直保と同じ、農学部1年の及川葉月の部屋を訪ねた時のことを思い出した。



 あの日、直保は及川の買い物(しかもかなり大きな絨毯)につき合わされ、その荷物を及川の家までずっと持たされた。それもその日はかなりの炎天下である。送ってもらえよと言ったが、なんでも、「買った物はその日から使いたい」とのことだった。自分のポリシーを貫くのは一向に構わないがそれに付き合わされる人間のことも考えてもらいたい。
 及川の家はアパートで、玄関に辿り着くとしばらく外で待たされた。部屋を片付けるとのことだったが、5分程度で終わると言われたので大人しく待っていた。
 が、及川は30分ほども直保を待たせ、シャワーを浴びていたりなどしていた。直保は干からびる寸前であった。麦茶をくれ。

 そのまま部屋の中へ。掃除をすると言っただけのことはあり、ゴミの欠片も見つからなかった。・・・そして、菌の一つも。これはまた別の話だ。
 しかし、整えられすぎている部屋は、今考えてみれば女らしさもあまり無かったように思われる。まあ、いい物が見れなかったわけでもなかったが。

 そのまま絨毯を設置。設置が終わった後は、及川が作り置きしていたカレーライスをご馳走になった。腹がかなり減っていたこともあり、相当美味しく感じられた。
 その後は、少し話をしたりなんかもしたが、特に何も・・・少なくとも、『女の部屋に男が行き、二人っきりの空間で普通起こるような出来事』は起こらなかった。



「って感じでしたよ?」

 と、及川の部屋を訪ねた時のことを簡単に説明してからそう言うが、美里と川浜はわなわなと震えながら直保を未だ睨み続けている。
 何が不満なんだ・・・と直保が溜息を尽くと、

「・・・ぉんのれはアホかあ!!」

 美里が今にも殴りかかってきそうな勢いで怒鳴った。川浜が横で激しく頷く。

「もし本当にそれで何もなかったんだとしたら、お前の人間性を疑うでほんま!」

「何でそのまま押し倒さなかったんだ! 二人きりなら証拠は少ないぞ!」

「下品なこと言わないでください!!」

 問題は、川浜と同じ発言をつい最近、菌(オリゼー)から言われたということなのだが。思考が菌と一緒というのはどうだろう。人間として。

「だから、前にも言ったじゃないですか。及川とは、ただのクラスメイトです。それ以上の関係は・・・」

「というか」

 川浜が口を開く。直保はその言葉に耳を傾けようとした。

「じゃあ、お前はあの樹の媚薬・・・どうしようと思ってたんだ?」


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 直保は考えた。

 どうしようとしてたんだろう?

「自分、長谷川や武藤さんが好みか?」

 そう言われると悩む。
 確かに、二人には女性としての魅力がある。事実、彼女達と合コンを開きたいという先輩方も存在する。
 しかし、直保がいざその2人をどうにかしたいのかと聞かれると・・・

「いや、そういうわけでも」

「そうだったら、及川しかいねえじゃねえか」

 ・・・ごもっともな意見だ。
 この農大の中に、直保の知り合いと呼べる女性はかなり少ない。
 その少ない女性の中の殆どがこの醗酵倉に通っている。そう。長谷川遙、武藤葵。そして・・・及川葉月である。

「正直にいいや。自分、及川の事ねらっとるんやろ?」

「い、いや・・・本当にそういうわけじゃ・・・」

 そのはずだ。少なくとも、今まで直保は及川に対してハッキリとした感情や性欲を強く感じた覚えは無い。いや、もちろん春祭の時の3人のボンテージ姿に興奮しなかったのかと聞かれたら嘘になるわけだが。

 しかし、それならば・・・

 俺、直保は・・・媚薬をどうしたかったのだろう。

「・・・何ででしょうね。あの時はとにかくテンションが上がっちゃって、何だかとにかく欲しくって・・・」

 そうだ。欲しかったから色々と馬鹿な事をやろうと考えたのだ。
 だから、直保は野菜ドロボウから春祭を終結させた英雄になれたのだ。

「・・・お前、性欲はあるよな」

「そ、そりゃあ人並には・・・」

 性欲を捨てるほど人生を悟ったつもりは無い。

「じゃあもう一度聞くが・・・お前が狙ってたのは及川か?」

 改めて質問され、直保は考えた。
 自分は彼女の事をどう考えているのか。

 考える。
 考える。
 考える。
 美里と川浜の視線がやたらと気になったが、まあとりあえず考える。

 長々と考えた結果、答えは導き出された。



「わかんねっす」

 言った瞬間、2人が派手にずっこけた。
 しかし、直保は・・・その答え以外は見つからなかった。

「俺には人並の性欲がありますし、媚薬に興味が全く無かったわけじゃありません。あの3人をどうにかしたいと思ってたんでしょうけど、今思えば何故あそこまで必死だったかも分かりません。だから、わかんねっす」

 及川をどうとも思っていないというのも嘘になるのかもしれない。
 でも、いくら考えてもそれ以上に進まないのだ。『自分のクラスメイト』というイメージより先に。

「ま、まあ自分がかなり変わった人間ということは分かったわ・・・」

「あ、ありがとうございます。褒められてはないんでしょうけど」

 何とか話が終わりそうだ・・・と直保は安心した。

 が、

「それは別として、及川の部屋には何かあったか!?」

「男の気配とかしたか!?」

「知りませんよ!!」

 二人の尋問はまだまだ続いた。





「あーあ。無駄に疲れた」

 醗酵倉を疲労困憊といった状態で後にした直保は、大学内をとぼとぼと歩いていた。
 何時間話に付き合わされたのか、日ももう落ちようとしている。無駄に疲れたせいで腹も空いてきていた。

『なんだただやすー。二股かー』

『大した経験も無いのにいい度胸だなー』

『このチキン野郎―。ふぬけ野郎―』

「お前らうるっせえよ!!」

 直保を取り巻く菌達に怒鳴りつける直保。菌達は「わー」とか言いながら辺りに飛んでいく。

「誰に怒鳴ってるのー?」

 後ろから突然声がして、直保は慌てて振り返った。
 そこには、先ほどまでの話の中心人物である及川葉月が立っていた。
 菌達との会話を聞かれたことが恥ずかしかったのか、細く長い髪が夕日に当たって綺麗だったせいなのかは分からないが、直保は慌てふためきながら少し赤い顔で、

「い、いや独り言! ほら、頭の中で天使と悪魔がさ!」

 と、なんとも苦しく子どもくさい言い訳をした。
 流石に不自然に思ったのか、及川は整った眉をわずかにひそめるが、すぐに表情を戻した。

「それは大変だねー。何? また樹先生に媚薬でも貰ったの?」

 さっきの話を聞いていたのではないかというほどの的確な言葉に、直保は驚きを隠せずに言葉に詰まってしまう。
 すると及川の目が先ほど以上に鋭くなった。

「・・・え? もしかしてマジ?」

「ち、違うって!」

 弁解はしてみるが、傍から見るとますます怪しい。
 実際、葉月の顔は今度は元に戻らずただ怪しそうに直保の事を見ている。
 直保はもう逃げ出したい衝動に駆られ、どんどん頭の中がこんがらがってきた。
 もうとっとと帰ろうと踵を返したが、

「あ、ちょっと待ってよ」

 及川に呼び止められ、直保はもう一度振り返った。
 まだ少し不信には思っているようだが、その表情は大分和らいでいた。

「これから帰るの?」

「・・・ああ」

「じゃ、また買い物付き合って?」

 笑顔でそう頼まれ、直保は小さく溜息をついた。
 本当に、先ほどの美里と川浜との会話を聞かれていたのではないだろうかと思うほどのタイミングだ。
 直保は考えた。
 ここでもし買い物に付き合ったとして、そのことが先輩達にばれたら今度こそ言い逃れはできないかもしれない。しかも、変に意識し始めてしまった今、俺の理性が外れる可能性が無いとも言い切れない。だってお昼じゃないよ。もう夜ですよ? 何言ってる俺。
 とにかく、ここで引き受けるのはあまりいいことではないかもしれない。うん、そうに違いない。
 お人よしという印象を与えて下僕のようにこれからコキ使われるようになってしまう可能性もある。ああ。どんどん話がネガティブな方向に転がっていく。

 どうする。どうする俺?


・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!

「今度は・・・何買うんだ?」

 そう重々しく尋ねると、及川は俺の心境をまるで察してない笑顔で答えた。

「本棚! あ、大丈夫。組み立て式のにするから!」

 以前カーペットを延々と運ばせたことを悪くおもっているのか懲りてないのか、そんな言葉を付け足された。そういう問題なのだろうか。大きさは決まっていないのだろうか。

「・・・それを運ぶのは俺なのか?」

「もちろん!」

「・・・・・・組み立てるのは俺なのか?」

「もっちろん!」

 どんどん返答が元気になっていっている気がする。何だ? もしかしてSなのか?
 俺は頭を抱えたい気持ちだったが、怪しげな行動は控えておいた方がいいと思い何も言わずに考える。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・

 再び頭が思考に沈む。
 何秒経ったのだろうか。俺は小さく溜息をついてから、

「分かったよ。付き合うよ」

 そう答えてしまっていた。

「ほんと!? ありがとう! じゃあ、行こっか!」

 すぐに俺の横まで駆け寄って来て、そう呼びかけてきた。

「本棚の組み立てって釘とかいるっけかなあ」

「あ、どうだろう。お店の人に聞けばいいんじゃない?」

「必要だとしたら俺の手間が増えるんだけど?」

「男が小さいこと気にしないの!」

「小さくねえよ」

「背の話じゃないよ?」

「分かってるよ!」

 他愛の無い話をしながら、校門へと向かう。
 何週間か前、直保達はこの場所で春祭を終結させるために戦いを繰り広げ、その結果勝利した。
 あの時の情熱は、そう。樹教授特製の媚薬へと向けられた物。

 改めて考える。俺は媚薬で何をしようと思ったのだろう?
 考えても考えても、この答えは出そうにも無い。一応、長谷川さんが媚薬を飲み始めた時は若干の期待はしたが・・・

「何考えてるの?」

「い、いや別に?」

 どうやら険しい顔をしていたらしく、適当に誤魔化しておく。
 及川は、「そう」とそっけなく言ったが、

「一応言っておくけど、媚薬を私に使おうとかは考えないでよ」

 と念を押された。

「・・・だから、そもそも持ってねえって」

 俺は苦笑いで答えた。




 俺が今回の買い物を引き受けたのは、確信があったからだ。
 だって、そうだろう? 俺と及川はただのクラスメイトであり、それ以上でもそれ以下でも無い。
 それに、前に家に言った時に及川は言っていたじゃないか。「私オヤジ好きだし」と。
 それならば安心だ。俺が及川に何かを思う理由も無いし、及川が俺に何かを思うことなどもっとあり得ない。

 だから俺は、完全なる安全を確信したからこそ、今回の買い物を引き受けたのだ。
 完璧だ。先輩達もこれならば何も言い返すまい!

 そこまで考えていた直保に、頭の上にのっかっている菌が呟いた。

『ながなが演説ごくろーさん』

 俺は頭を掻き毟った。











 後書き

 なんか菌の台詞が可愛くないなあ・・・。もっと可愛いですよ? 本物は。
 まあ、初めて書く作品ということもあって、あまりいい出来とはいえないかもしれませんが、こんな感じです。及川さん可愛いよなー。直保もなんか可愛いですよ。
 もやしもんマジでお気に入りなので、新しいメモリースティック買ってPSPで全話見れるようにしたいです。マジで。
 誤字が多いかもしれないので、見つけたら報告をお願いいたします。では!
スポンサーサイト



その他小説 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<2500Hitありがとうございまーす! | ホーム | スマブラ戦記 Wi-Fi通信 おきらくチームバトルにて>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |