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銀の働き部屋

管理人銀河の、日記兼テキストサイトです。取り扱うジャンルは主にヤングガンガン連載のWORKING!!になると思います。最近は東方の霖之助小説を書くのにも夢中。どうかよろしくお願いします。リンクはフリーです。感想は常に受付中です!もらえたら泣いて喜びます

性転換ハルヒ 『大空の向こう』 ハルキ×キョン



 珍しくハイスピードで小説が書けたので載せたいと思います。WORKING!!も書かなきゃ・・・だけれどネタがない・・・!
 性転換ハルヒの二次創作で、『大空の向こう』です。ハルキ×キョンです。全然甘くないです。ただ、今まで書いてた中で一番高校生の青春らしいような気もします。

 では、続きからでどうぞ。






 広い空だ。

 涼宮ハルキは、屋上の空に寝転がりながら空を見上げ、ぽつりと一言そう呟いた。

 春の陽気も射しこみ始めてきた暖かいこの日。今年入学した初々しい入学生の姿が校内にちらほら見かけられるそんな日。
 ハルキは突然屋上から空を見上げてみたいと思い、昼休みが始まってすぐに屋上に向かった。
 薄汚れた屋上への階段を昇りきり、錆びかけたドアを開けた先にある屋上には誰もいなかった。ハルキからしてみれば、春の高校の昼休みだというのだから他に人がいてもいいのではないかと思ったが、貸切状態と思い込み、すぐに屋上の真ん中に寝転んでみた。

 改めて、広い空だった。ふわふわと白い雲が視界のところどころに浮かんでおり、太陽の暖かな光がハルキの体全体を温める。眩暈を感じるほど青い空に、ハルキは思わず息を吐いた。
 それは、久々に真剣に見る空の色の美しさに対してでもあるが、ハルキの心の中で期待が膨らんだからでもある。

 今、ハルキが見ているこの空だってこんなに大きく広がっているのに、そんな空だって、世界のほんの一部でしかない。
 小学校の時の野球観戦と同じ気持ちだ。今目の前に広がっている光景の凄さと、世界の大きさとのギャップを感じた。

 そうだ。この空だけでこんなに広い。世界中の空はこれの何十倍、何百倍、もしかしたら何千倍と広いんだ。
 そんな広い空の向こう側に、宇宙人その他色々面白い物がいない? いや、そんなはずはない。
 いるに決まっている。この空はこんなに広くて、世界中の空はもっと広くて、宇宙は更にその何万倍何億倍と広いのだから。

「よーっしゃ!! 絶対見つけてやる!!」

「うわ!? びっくりしたあ!」

 勢いよく体を起こしながら叫ぶと、ハルキの背後から声が聞こえる。
 ハルキが「あ?」と言いながら振り返ると、屋上の入口にキョンが若干引いた状態で立っていた。

「キョンじゃねえか? どうしたんだよ?」

 ハルキが座ったままでキョンに問いかけると、キョンは調子を外したように肩を落とし、ハルキの近くへと歩いてきた。

「こっちの台詞。部活継続許可の件任せっきりにしといてよく言うね」

 キョンは『部活動内容書』と書かれたA4サイズの紙をハルキの目の前ではためかせ、溜息をついた。
 ハルキは、ああ、そんな事もあったなあとぼんやりと思い出していた。
 4時限目の途中で屋上に行きたいと思ったハルキは、自分でキョンに命じておいた部活の書類の事もすっかり忘れて屋上へ向かってダッシュしていたのだ。

「悪かったな。で、どうだった?」

「部活内容を適当に作って許可はもらってきた」

「・・・部活内容はなんて?」

「困った生徒から積極的に依頼を受け付け、ボランティア活動にも積極的に参加します・・・って」

 ハルキはキョンがさらりと言った言葉を聞いてしばらく沈黙していたが、少し顔を下げていたキョンに30%ほどの力でデコピンを一発喰らわせた。
 「いたっ!!」とキョンは目を閉じ、デコを抑えてしゃがみ込んだ。呻き声が小さく聞こえてくる。

「お前は、SOS団を何だとおもってやがるっ!!」

「馬鹿な男が設立したトチ狂った団体としか認識してないわよ!」

 目尻にうっすらと涙を浮かべながら、キョンは怒鳴った。そのデコはほんのりと赤く痕がついている。
 キョンの事がが逆鱗に触れたらしく、ハルキは顔を赤くして立ち上がり、同じく怒鳴りつけた。

「トチ狂っただあ!? 未知の生命体との接触を真剣に考えることの何がおかしい!?」

「高校2年生が未知の生命体とかって言っている時点でおかしいのよ!」

「なんだと!? いないって誰が決めたんだよ!?」

「実際大晦日には未知の生命体との遭遇は嘘だったとかのテレビ番組が山ほどやっているわよ! あれを見て何も思わないわけ!?」

 その番組を見て何かを感じるのは、どちらかというとキョンのほうなのだが、キョンも引くわけにはいかないと叫んだ。

「あれは・・・、その、宇宙人が自分達の存在を隠蔽するためにテレビ局を操って・・・」

 ハルキは相当戸惑った様子で適当な理由を述べる。きっと大晦日はハルキが最も落ち込む日なのではないかと、この時キョンは感じていた。
 しかしそんな様子のハルキを見てもキョンは喋るのをやめない。

「へえ、誰が言っていたの? いつ? 何時何分何秒地球が何回回った時!?」

 いつと聞かれると、二人が高校一年生の時の春である。確か言いだしっぺは長身の読書好き宇宙人長門有希だ。

「てめえは子どもか!?」

「子どもはそっちでしょ!?」

 ひとしきり怒鳴ると、二人はぜえぜえと息を切らしながらお互いを睨みあった。
 先に視線を外したのはハルキだった。ハルキはキョンに背中を向けるように振り返り、数分前までのように空を見上げた。

「こんなに広い空の中のどこにも未確認生命体がいないなんて、もったいない事を神様がしているわけがない! 俺は、必ず未確認生命体と一緒に遊んでみる!」

 空に向かって大声で叫ぶハルキを見て、キョンは「はあ?」と声を漏らした。
 が、しばらくしてから顔付きを穏やかな物へと戻して、ハルキと同じく空を見上げた。

 思えば、私もこんな広い空を見て、宇宙人とかサンタクロースとかに夢を見ていたんだな。と、キョンは思い出していた。
 顔を下ろすと、ハルキがキョンを見ながらにやついている。実にいやらしい笑みだ。

「・・・何よ?」

「お前も、ちょっと信じたくなっただろ?」

「はあ? 誰が信じるのよ。ガキじゃあるまいし」

「ガキってのは俺の事か?」

「あんた以外いるわけないでしょ? 今年のサンタクロースには何を頼むの?」

「・・・未確認生命体と出会えますように!!」

「・・・・・・」

 キョンはもう一度小さく溜息をついた。
 何故この男はここまで馬鹿なんだろうという意味を込めた溜息を聞いて、ハルキは何を勘違いしたのか、

「会えたらお前とも遊んでくれるよう頼んでやるよ!」

 と勝ち誇った笑みでそのような事をのたまった。
 キョンはあえて反論はせず、

「はいはい。・・・なるべく人の形に近い物をお願いします」

 と呆れ気味に言い放った。
 幸い、キョンが遭遇した未確認生命体の殆どが人型であるため、この願いは結構あっさり届くのかもしれないな、とキョンは思った。

「おお! 任せとけ! というわけで今度の土曜日は未確認生命体発掘ツアーだ! 遅刻した奴がどうなるかは分かってるな?」

 耳がおかしくなってしまいそうなくらいのやかましい声に、キョンは耳を塞ぎたくなったが、しっかりと答えた。

「ミーティング用の喫茶店でメンバー全員に奢らなければいけない」

「よし! 分かってるじゃねえか! じゃあ、絶対来いよな!」

 ハルキを見ると、世界中の人間がその笑顔だったら逆に気持ちが悪くなるな、というお洒落な詩には似合わない満面の笑顔を浮かべていた。

 キョンは心の中で「ばっかじゃないの」と呟くと、屋上への入口へと歩いていく。

「今日の放課後は土曜日のミーティングだからなあ!」

 後ろで叫んでいるハルキに、手を頭の横で振るだけの応答をして、キョンは階段を降り始めた。

 さて、土曜日にはどんな服を着ていこうか。

 キョンは、馬鹿らしい集会に向けて、自分でも馬鹿らしいと思うような計画を立て始めていた。
 放課後には、SOS団のメンツとその事について話すことになるだろう。
 その時間だけは、楽しい物だとキョンは最近思い始めていた。

 そんなツアーなんか計画せずとも、未確認生命体は周りに大勢いるというのに、とキョンは溜息をつきながら階段を降り切る。

 階段を降り切った踊り場の正面にある窓には、ハルキが未確認生命体がいると言って聞かない空が遙か遠くまで広がっていた。

「・・・意外と、この世界も夢があるものね」

 そう呟き、キョンは再び階段を降り始めた。








 あとがき

 こんな感じで。性転換ハルヒでオリジナル話を書くのは初めてでしたが、意外とすんなり書けました。動かしやすいです。ハルキ。
 なんか他のサイトのキョンと比べると、随分と俺が書くキョンは女の子な気がします。ある程度無気力なまではいいんですが、言葉が男言葉すぎると逆にそそらないのは俺だけでしょうか?(待
 ハルキはとにかく荒っぽくしましたが、どうでしょうかね?
 自虐をするならば、オチがだらだらとつまらい気もします。うーん、オチは大事だよなあ。

 性転換後のキャラの性格に対して物申すという方はばしばしコメントください。おねがいしまーす。

 では。
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